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 Drive12. 姉妹の絆、それぞれの成長


  12-A-前

   (食堂にて)

   乱花
    だーっ!
    今日も疲れた~!

    前よりたくさん訓練して
    たくさん実戦も重ねてる

    ……けど

    私強くなってるのかな

    あの時の月影は本当に強かった
    本当にあんな風になれるの?



   桃
    修行のコツは、己の鍛錬を疑わない
    ことだとコンゴウ先生が言っていた



   乱花
    九頭竜……

    今日は後ろからじゃないんだね



   桃
    そろそろ正面から
    向き合わなければならない時期だろう



   乱花
    どういうこと?
    今までだって面と向かって話してきたじゃない



   桃
    無理しなくていい
    分かってる

    心のどこかで
    引きずっているんだろう?

    倫花の負傷を、私のせいだと思っている



   乱花
    な、なんだよ
    いきなり何を言い出すかと思えば――



   桃
    ドライヴに対しても同じだ

    猜疑? 恐怖? 怒り?
    そういう物が入り混じった感情を抱いている



   乱花
    やめてって
    別に気にしてないよ



   桃
    目を逸らすな
    私の顔を見て話せ



   乱花
    う……

    だ、だってしょうがないじゃん!

    またあんなことになるんなら
    ドライヴなんて意味がないよ!

    お姉ちゃんにケガさせるくらいなら
    VR-ウイルスの力なんていらない



   桃
    聞け、乱花

    あれからずっと考えていた
    あの時、何が起きたのか
    何故あんなことになったのかを

    倫花とドライヴしてして
    ゴウザンゼ先生と戦った時
    勝ち目はないと思った



   乱花
    え?
    そうだったの?



   桃
    手合わせして一瞬で分かった
    あれは――

    (独白開始)

    いや、まだそこまで話す
    必要はないか……

    乱花をいたずらに不安がらせても
    仕方がない

    (独白終了)

     ※ 四神の絶望について



   乱花
    どうしたの?
    九頭竜



   桃
    あ、ああ、なんでもない
    ゴウザンゼ先生は強い
    とてつもなくな



   乱花
    そうだろうな~
    でっかいもんね



   桃
    だが勝ちたいとも思った
    負けるつもりで戦っても
    意味がない

    そして倫花は、私の勝ちたいという
    気持ちに応えようとしたんだ



   乱花
    それでお姉ちゃんは
    力を使いすぎた……?



   桃
    そうだと思う

    ゴウザンゼ先生を相手にするには
    私の力が足りなかった

    そして倫花は、恐らく
    ゴウザンゼ先生に匹敵するか
    凌駕する力を秘めている

     ※ 倫花の資質



   乱花
    でも、それで力を使いすぎたら
    ケガしちゃうんでしょ?

    それじゃお姉ちゃんは誰とも
    ドライヴできないじゃん!



   桃
    だがドライヴして戦わなければ
    VR-ウイルスに冒されて
    私たちは遠からず死ぬ

    私たちは戦うしかないんだ

    だから倫花に負担をかけないために
    私たちは強くならなければならない



   乱花
    強く……ならなくちゃ



   桃
    そうだ
    己の鍛錬を疑えば、心が揺れる

    私を信じろとは言わない
    お前自身の倫花を思う気持ちを信じろ



   乱花
    ……うん



   桃
    それに、私はそれほど
    心配していないんだ

    ケガをしたら可愛い妹が死ぬほど
    心配すると知ったら、倫花だって
    そうそう無茶しないだろう?



   乱花
    そっか!
    ありがとう、九頭竜
    そうだね、私が私を信じなきゃ

    でも、どうしてそんな話を?



   桃
    次の定期戦が近い



   乱花
    えっ?
    間隔短くない?



   桃
    どんどん戦えということだろう



   乱花
    私たちが戦えば戦うほど
    ウイルスの研究が進むんだよね



   桃
    私たち自身のウイルス活性を
    制御する力も増す



   乱花
    戦わないって選択肢はないってことか



   桃
    どうやらそういう運命らしい



   乱花
    よーし、悩むのはやめた!
    やっぱり目指すは最強のヴァルキリーだよ

    そう決めたら
    おなかが減ってきたな

    もりもり食べて
    バリバリ修行しないとね!
    おばちゃーん!



   桃
    いつもの乱花に戻ったな



   乱花
    九頭竜も早く来なよ!
    食べるんでしょ?
    ごはんー



   桃
    ああ、今行く



   (屋内修練場にて)

   乱花
    もう本番の日か
    あんまり訓練できなかったな

    ううん
    それは他のみんなも同じなんだ

    弱気になるな乱花!
    だいじょうぶ、私は強い!



   マナ
    おはようございます、乱花さん
    何をしてるんですか?



   乱花
    うわっ、い、猪名川
    おはよう

    何もしてないよ
    ちょっと自分に気合を入れてただけ



    マナ
    へえ、自信がありそうですね



   乱花
    もちろん!
    誰と組んでも、誰が相手でも勝ってみせるよ!

    月影たちみたいにダイイトク先生を
    倒せるって自信はまだ無いけどね



   マナ
    そんなの当たり前です
    あれはあの人たちがおかしいんです

     ※ 自称一般的な女子高生であるマナ (オーダー18)
       幼少の頃より大人社会で生きてきたという小春、
       戦場での経験があるヴァイオラや桃。満腹丸も幼い頃から教育も受けずに戦ってきた。
       人助けを行うことで結果として力を制御してきた神楽坂姉妹。(ドラマCD)
       マナの境遇はまだよく分からないが、元々かなり不利な状況にある。
       真っ先に脱落すると桃とヴァイオラに言われ、教師にもそう思われていた




   小春
    勝てないのが当たり前と
    決めつけるのは良くないですね



   ヴァイオラ
    らしいセリフだわ
    ふう、今日もあなたたちは
    ザコザコしいわね



   乱花
    あ、月影
    とヴァイオラ!

    ザコザコしいって
    どういう意味だよ!



   ヴァイオラ
    言葉通りよ
    ああ、ザコザコしい



   乱花
    くっ
    調子こいちゃって……



   小春
    おはようございます
    乱花さん



   乱花
    二人は一緒に登校か
    固定のパートナーがいる人はいいなぁ

     ※ マナからしたらもはや嫌味にしか聞こえないだろう。
       倫花だけでなく桃とも組めるのだから




   ヴァイオラ
    当然でしょ
    私は小春の正式なパートナーとして――



   小春
    ヴァイオラさんったら
    私を起こしにわざわざ家まで
    来てくれるんですよ



   ヴァイオラ
    そ、それは早朝訓練の為よ!



   小春
    努力家の朝は早いですものね
    ヴァイオラさんのそういう所が
    私は好きです



   ヴァイオラ
    なっ!
    す、好きとか……何を!



   小春
    あら、ヴァイオラさんは
    私の事を好きじゃないんですか?



   ヴァイオラ
    はぁァッ!?
    そ、そんなの……

    す、好き――



   桃
    また群れているのか
    確かイドバタカイギという情報収集だったな



   ヴァイオラ
    ――ギャーッッッ!!
    あ、あ、あ、あなた!
    どこから出てくるの!



   乱花
    九頭竜、見当たらないと思ったら
    先に来てたんだ



   桃
    ああ、さっきまでちょっとした
    騒ぎになっていたからな
    様子を見に来てたんだ



   マナ
    騒ぎ?



   桃
    月影とヴァイオラがダイイトク先生を
    倒した事が大々的に発表された



   小春
    まあ、ちょっと恥ずかしいですね……



   ヴァイオラ
    何言ってるの、喜びなさい小春
    ふ、これで私たちの実力も
    ビクニ中に知れ渡ったわね



   小春
    そういうものでしょうか



   ヴァイオラ
    堂々と胸を張って、もし何か
    言われたら、その時はにっこり
    微笑んで手でも振ってやりなさい



   小春
    ど、努力します



   桃
    今回の定期戦は
    またゴウザンゼ先生が担当だそうだが



   乱花
    ちょうどいいじゃない
    リベンジにはもってこいだよ



   ヴァイオラ
    乱花、あなた顔つきが変わったわね



   乱花
    前より可愛くなった?



   ヴァイオラ
    アホなのは変わらないのね



   乱花
    まあね、色々考えたり
    悩んだりしてたんだけどさ

    月影とヴァイオラを倒すことを
    目標にしたんだ

    戦うしかないんだもんね
    そしたらスッキリした



   小春
    これもヴァイオラさんの
    おかげですね



   ヴァイオラ
    小春のおかげでしょ



   乱花
    どっちでもいいよ
    イチャイチャすんな

    それじゃみんな揃ったことだし
    ゴウザンゼ先生の所へ行こう!



   桃
    満腹丸がいないが



   乱花
    ……あれっ?
    あいつ、また遅刻?



   (自然区画にて)

   ゴウザンゼ
    あらあらみなさん
    おそろいで

    小春ちゃん、ヴァイオラちゃん
    正式にパートナーになったそうね



   小春
    はい
    私から申し出ました



   ゴウザンゼ
    二人で本気のダイイトクさんを
    倒しちゃったんでしょう?
    やるわね



   ヴァイオラ
    ふふん
    それほどでもありますけど



   乱花
    ゴウザンゼ先生!
    今回は私が先生を倒します!



   ゴウザンゼ
    まあ、それは楽しみね



   乱花
    あっ、先生
    いま笑ったでしょう!?

    私、本気なんだからね!

    ゴウザンゼ先生を倒して
    お姉ちゃんを守れるぐらいに強くなるんです



   ゴウザンゼ
    良い心がけです



   満腹丸ちゃん
    はわわ~
    ちこくしちゃいました~!



   乱花
    満腹丸!



   桃
    これでようやく
    全員揃ったわけか
    やれやれだ



   満腹丸ちゃん
    ながいせんせ~
    おはようなのだ



   ゴウザンゼ
    おはよう
    満腹丸ちゃん
    今日も元気ね



   満腹丸ちゃん
    うん!
    ながいせんせ~も
    今日もながいのだ



   ゴウザンゼ
    日によって長さが
    変わる訳じゃないのよ

    それと、そろそろ私の名前を
    覚えてちょうだいね



   満腹丸ちゃん
    はいなのだ
    ながいせんせ~



   ゴウザンゼ
    ……はあ



   乱花
    長いって、何が長いんだろう……



   桃
    話がか?



   乱花
    首? やっぱり尻尾じゃない?



   桃
    あの尻尾は厄介だ
    防御にも攻撃にも役立つ
    戦うさいには気をつけろ



   ゴウザンゼ
    おほん!



   乱花
    ゴウザンゼ先生の尻尾は
    とてもご立派です!



   ゴウザンゼ
    ありがとう
    自慢の尻尾なの



   満腹丸ちゃん
    リボン付けたらきっと
    可愛いのだ~



   ゴウザンゼ
    あら、いいわね
    今度試してみようかしら

    では、いい頃合いですし
    そろそろ始めましょう

    ただいまより、定期戦の
    一回戦を開始します!



   満腹丸ちゃん
    はーいっ!



   乱花
    おーしっ!



   ゴウザンゼ
    初戦だけど
    誰か、希望者はいるかしら?



   乱花
    はいっ!
    私と九頭竜がやります!



   ゴウザンゼ
    いいでしょう
    ではスタート位置で待機していてね



   乱花
    はーい



   ゴウザンゼ
    対戦相手は……
    マナちゃんかしら



   マナ
    わ、私ですか?
    あの、一応聞きますけどパートナーは?



   ゴウザンゼ
    親睦を深めるという意味で
    満腹丸ちゃんではどう?



   マナ
    ぐっ
    残り物コンビ……



   ゴウザンゼ
    何か問題でもあって?



   マナ
    いえ、問題ありません
    ねえ満腹丸さん?



   満腹丸ちゃん
    まんぷくまるちゃんは
    こいつが気に食わないのだ



   マナ
    ……ちょっ、はあ?
    あなた何を突然



   ゴウザンゼ
    これを機に仲良くなってね
    では、二人もスタート地点へ



   マナ
    ほら、満腹丸さん
    行きますよ



   満腹丸ちゃん
    乗り気じゃないのだ



   乱花
    そういえば満腹丸って
    実はけっこう強いんだっけ
    勝てるかな



   桃
    相手が誰であろうと
    殺すつもりで戦うだけだ

    ゴウザンゼ先生を倒すんじゃなかったのか?



   乱花
    そうだった!
    初戦で負けてられないよね

    (独白開始)

    弱音は吐くな、飲み込んじゃえ
    お姉ちゃんが心配する必要がないくらい
    私は強くなるんだ

    (独白終了)



   ゴウザンゼ
    では第一試合
    はじめなさい!



   乱花
    さあ、いくよ!




  12-A-後

   満腹丸ちゃん
    うぐぐぐ……
    栄養補給、栄養補給が必要なのだ



   (苦戦した場合 ここから)


   乱花
    はあっ、はあっ
    どうだ!



   マナ
    悔しいけど
    私たちの負けです

    くっ、もう少しだったのに



   乱花
    まずは一勝か……

   (苦戦した場合 ここまで)



   (余裕の場合 ここから)

   乱花
    へへん、どうだ!
    勝負あったね!



   マナ

    (独白開始)

    くっ、前に戦った時よりも
    隙が無い……

    これほどまでに
    差がついているの?

    (独白終了)

    素直に負けを認めます



   乱花
    よっしゃあ!
    まずは一勝!

   (余裕の場合 ここまで)



   満腹丸ちゃん
    まんぷくまるちゃんは
    次の試合までに栄養分を補給してくるのだ

    さらばっ!



   乱花
    満腹丸ってさ
    ケガもごはんで治ると思ってない?



   マナ
    さあ、どうでしょう……



   桃
    修行の成果が出たな
    無駄な動きが減っている



   乱花
    本当にそうなら
    修行に付き合ってくれた
    九頭竜のおかげだよ



   ???
    すごいわ
    ちょっと見ない間にずいぶんと強くなったね



   乱花
    え……この声は……?



   倫花
    勝利おめでとう
    乱花ちゃん



   乱花
    あ……お……
    お姉ちゃあぁんッ!



   倫花
    ただいま、乱花ちゃん
    心配かけちゃったね



   乱花
    お帰り!
    倫花お姉ちゃん!!




  12-B-前

   小春
    倫花さん!
    退院したんですね



   ヴァイオラ
    ケガはもう大丈夫なの?



   倫花
    うん、もうすっかり



   乱花
    お姉ちゃん
    本当に心配したんだよ



   倫花
    回復するのは割と
    早かったんだけどね

    色々検査が必要だって言われて
    そのまま入院してたの

    だからケガの方は
    もう全然平気なんだ

    退院したらすぐに戦うって
    決めてたから



   乱花
    えっ?



   倫花
    ゴウザンゼ先生
    私もこのまま定期戦に参加します



   ゴウザンゼ
    もちろん許可します
    理事長さまからも連絡を受けています



   乱花
    はあ!?
    なに言ってるの!?
    ダメダメ!

    お姉ちゃんは病み上がり
    なんだから戦闘なんて絶対にダメだってば!



   倫花
    だから病み上がりじゃないんだってば

    検査の間、病院の施設で
    トレーニングしてたくらいなんだから

     ※ リハビリでなく、トレーニング



   乱花
    でもせめて定期戦が
    終わってからにしようよ



   倫花
    定期戦に間に合わせて退院したのに
    それじゃ意味がないでしょ



   乱花
    だって……
    ねえ九頭竜からも何か言って――
    あれっ?

    九頭竜?
    どこ行ったの

    何でそんなすみっこに隠れてるのさ



   桃
    ああ、うん
    倫花、よく帰ってきたな
    もう戦えるのか?



   倫花
    うん
    大丈夫



   桃
    そうか、それは良かった
    それでな、あの……
    あー



   倫花
    何も言わないで



   桃
    …………



   倫花
    とっても強い相手だった
    私たちは全力を出し切った
    それで十分だよ

    自分が未熟な点も分かったし
    これからどうするかのほうが大切じゃない?



   桃
    ああ、そうだな



   倫花
    桃ちゃん、私のいない間
    乱花ちゃんを守ってくれて
    ありがとうね



   桃
    そんな、私は乱花を守ってなど……



   倫花
    乱花ちゃんと一緒にいてくれた
    それが何よりも嬉しいの



   桃
    倫花……



   乱花
    ちぇっ
    お姉ちゃんには敵わないな



   ヴァイオラ
    良かったわね
    無事退院できて



   倫花
    活躍は聞いてたよ
    小春ちゃんとヴァイオラちゃんも
    随分と仲良くなったんだね



   小春
    ええ、
    あなたと乱花さんのおかげで



   ヴァイオラ
    私は別に仲良くなんて
    してないんだからね!

    ……な、なによ
    そんな目で見ないでよ

    あーはいはい!
    私と小春はペアを組んだし
    なんだかんだで乱花のおかげだわ

    色々あったけど感謝してるし



   小春
    ヴァイオラさん
    ほら



   ヴァイオラ
    あの
    お、おかえり……



   小春
    おかえりなさい



   倫花
    うふ、ただいま



   マナ
    …………



   理事長
    倫花さんは
    皆さんと合流できたかしら



   ゴウザンゼ
    理事長さま



   倫花
    はい
    定期戦にも間に合いました



   理事長
    体の調子はどう?



   倫花
    おかげさまで
    戦える状態まで回復しました



   乱花
    理事長!
    いくらケガが治ったからって
    戦うのは早いと思います!



   理事長
    大丈夫よ
    危険だと判断したらすぐに止めるし

    そもそも定期戦への参加を許可しないわ



   倫花
    ちょっと心配しすぎじゃない?
    そんな弱気でゴウザンゼ先生を
    倒せるのかしら?



   乱花
    な、なによそれ
    それとこれとは関係ないよ



   倫花
    あるでしょ



   乱花
    ない!



   倫花
    勝負所で躊躇するのは
    乱花ちゃんの悪いクセだよ



   乱花
    なッ……!



   理事長
    あらあら、珍しいわね
    この二人がケンカするなんて

    そうだ
    わたし面白いこと思い付いちゃった



   ゴウザンゼ
    私もですわ



   乱花
    いいこと?



   理事長
    ばっちり戦えるところを
    見せつけて妹さんを安心させてあげなさいな



   倫花
    なるほど
    それはいいかもですね~



   乱花
    ど、どゆこと?



   倫花
    私と乱花ちゃんが
    戦うって事でしょ



   乱花
    えーッ!!



   ヴァイオラ
    面白そうな企画ね
    では私は乱花のエクスターに



   小春
    私は倫花さんのエクスターを



   乱花
    えっ
    私とヴァイオラが組むの?
    相手がお姉ちゃんと月影ぇ!?



   ヴァイオラ
    光栄に思いなさい



   小春
    お姉さんは、私が全力で
    サポートしますから
    安心してくださいね



   乱花
    わ、わかったよ!
    やればいいんでしょ!
    やれば!



   倫花
    さて、はじめようか
    小春ちゃん



   小春
    久しぶりのドライヴだというのに
    落ち着いていますね



   倫花
    うん
    みんなと一緒にいられるのが
    うれしくって



   理事長
    では、双方、用意はいいわね
    試合開始っ!




  12-B-後

   (苦戦した場合 ここから)

   倫花
    はーっ
    やっぱりブランクが響くね
    負けるかと思っちゃった



   乱花
    お姉ちゃん
    ホントに病み上がりなの?



   倫花
    言ったでしょ
    もう平気だって



   乱花

    (独白開始)

    確かに強いけど……

    お姉ちゃん
    息が上がってる

    やっぱりまだどこか
    辛いのかな……

    (独白終了)

   (苦戦した場合 ここまで)



   (余裕の場合 ここから)

   倫花
    どう? 乱花ちゃん
    これでも私のケガが心配?



   乱花
    つ、強い……

    私、かなり本気だったん
    だけど……

   (余裕の場合 ここまで)



   小春
    どう思いました?



   ヴァイオラ
    正直驚いたわ
    どんな変化があったわけ?

    入院して強くなれるなら
    病院は大繁盛よ



   小春
    精神的な変化だと思います
    ベッドの上で、色々と考えたんでしょう

    倫花さんはやはり私たちに
    匹敵する力を持っている……

     ※ トレーニングも行った。資質は以前から語られている。
       病院で倫花が何を考えていたのかは、明かされない。

       続編を視野に入れてシナリオを途中で変えたようにも思える



   ヴァイオラ
    あ……



   小春
    そして倫花さんの才能はまだ
    開花しきっていません

    もしあの才能が咲き開いたら
    きっと……



   ヴァイオラ
    小春、あなた
    やっぱりまだ倫花の事を……?



   小春
    心配しないで
    私の気持ちは変わりません

    ヴァイオラさんと一緒に戦う
    そう決めたんですから

    これからもずっと
    そうしたいと願っています



   ヴァイオラ
    小春……

    そうね
    ごめんなさい変な事を言って



   小春
    いいえ
    嬉しかったですよ



   ヴァイオラ
    ………… (喜ぶヴァイオラ)




  12-C-前

   桃
    倫花の再起に
    相応しい、いい戦いだった



   倫花
    ありがとう
    桃ちゃんに言われると嬉しいな



   桃
    乱花のことだが
    口ではああ言ってるけど
    ずっと倫花を待ってたんだ

    本当は早く戦いたかったに違いない

    それを分かってやってくれ



   乱花
    おおおい九頭竜!
    私に丸聞こえだよ!!
    そういうのやめて!?



   倫花
    ありがとう
    乱花ちゃんのことを気に懸けてくれて



   桃
    気にするな
    私たちは、その、あれだろう



   倫花
    お友達?



   桃
    そ、そう、それだ
    だから気にするな

     ※ もはや完全に心を開いている



   倫花
    そうだね
    これからもよろしくね
    桃ちゃん



   桃
    ああ



   乱花
    それにしてもお姉ちゃん
    本当に戦えるんだね



   倫花
    だから何度も言ってるでしょ
    大丈夫だって



   乱花
    う、どうせ私は心配性だよ



   倫花
    でも嬉しいな
    これで久しぶりに神楽坂姉妹が
    復活なんだもの

    また一緒に戦いましょう
    乱花ちゃん



   乱花
    お姉ちゃん……

    うん、戦おう!
    私が強くなったところ
    たくさん見せてあげるよ!



   桃
    よかったな、乱花



   乱花
    うん!



   桃
    あとその、なんだ……



   乱花
    うん?



   桃
    短い間だったけど
    私と組んでくれて
    ありがとう



   乱花
    九頭竜……

    そんな顔しないでよ
    訓練でいつでも組めるし
    いつだって戦えるんだから



   桃
    本当に感謝してるんだ

    お前が相棒と呼んでくれた時
    すごく嬉しかった



   乱花
    九頭竜……



   倫花

    (独白開始)

    なるほど
    乱花ちゃんが強くなったのは
    ちゃんとした理由があったのね

    いつの間にか
    みんなと一緒にいる

    そして、乱花ちゃんの事を
    大切に思ってくれる人もいる

    (独白終了)

    乱花ちゃん



   乱花
    な、なに?
    お姉ちゃん?



   倫花
    桃ちゃんと、これからも仲良くね
    一緒にご飯食べたり、勉強したり

    私がいなかった時みたいに
    ちゃんと仲良くするのよ?



   桃
    私は別にそういうつもりで――



   乱花
    もちろんそのつもりだよ
    当たり前じゃん



   桃
    乱花……

    ありがとう



   ゴウザンゼ
    どう? 倫花ちゃん
    乱花ちゃんはとても強くなったでしょう



   倫花
    ゴウザンゼ先生

    はい
    びっくりするぐらいに

    今なら、ゴウザンゼ先生にも
    通用するかもしれません



   ゴウザンゼ
    そういえば、乱花ちゃんは
    私を倒すと息巻いていたわね



   乱花
    や、それは目標って意味で
    本気で先生と戦えるなんて――



   ゴウザンゼ
    どうですか乱花ちゃん
    私と勝負してみますか?



   乱花
    いいんですか!?



   ゴウザンゼ
    私が見る限り
    十分にその資格があるわ



   乱花
    あの、じゃあパートナーは?



   倫花
    私以外にいないでしょ?



   乱花
    お姉ちゃんと組んで
    先生と全力の勝負……

    やばい
    ドキドキしてきちゃった



   ゴウザンゼ
    では、少し場所を変えましょう
    他の皆さんも、立ち会いはどうぞご自由に

    それでは、よろしくて?



   倫花
    私はいつでも大丈夫です



   乱花
    私もだよ!
    いつでも来い!



   ゴウザンゼ
    本気で行くわよ



   倫花
    もちろん

    そうじゃなくちゃ
    面白くありませんから



   乱花
    お、お姉ちゃん
    意外と強気だね……



   倫花
    何を言ってるの?

    私と乱花ちゃんなら
    小春ちゃんとヴァイオラちゃんにも
    勝てると思ってるんだけどな



   乱花
    月影とヴァイオラに……?



   倫花
    あの二人はゴウザンゼ先生に
    勝ってるんでしょう?

    だったら、私たちも
    負けるはずがない



   乱花
    そっか……
    うん、そうだよね!



   乱花
    よーし
    やれる気がしてきた!



   ゴウザンゼ
    素晴らしい力を感じます
    それでこそヴァルキリー

    意志なき戦いは……
    恐るるに足らず

    心の器が武の器
    私たちが守るものは――

    戦乙女の武の器です!




  12-C-後

   倫花
    お疲れさま、乱花ちゃん



   乱花
    すごい……

    お姉ちゃんって
    こんなに強かったんだ……



   倫花
    乱花ちゃんと
    ドライヴしたからよ

    なんたって生まれた時から
    ずーっと一緒にいるんだもの



   乱花
    先生の長い尻尾も
    短く感じたくらい



   倫花
    なぁに? それ



   乱花
    えへへ、コッチの話



   倫花
    乱花ちゃん
    本当に強くなったわね

    あそこまで思い切り振り抜けたのは
    乱花ちゃんのおかげよ



   乱花
    へへへ……



   ゴウザンゼ
    う、うう……
    がはっ……!!



   乱花
    うわぁっ!?
    ゴウザンゼ先生の隙間から
    女の子が出てきた!?



   倫花
    な、なに……これ……?



   ヴァイオラ
    小春、あれは……?
    何がどうなってるの?



   小春
    人間……のようです……
    まだ生きています



   ヴァイオラ
    生きてるって
    一体どういう事!?



   理事長
    ゴウザンゼさん、早く



   ゴウザンゼ
    は、はい
    申し訳ありません
    理事長さま



   倫花
    理事長先生
    この女の子は一体……?



   理事長
    その子はこちらで回収します
    このことは絶対に他言しないこと

    皆さん、急ではありますが
    定期戦は現時刻を以って終了します



   倫花
    終わり?



   乱花
    そんな、何の説明もなしに!?



   理事長
    大丈夫
    何も問題はありません

    ゴウザンゼさん
    一度引き上げますよ



   ゴウザンゼ
    かしこまりました



   理事長
    マナさん
    ついてきて

    例の件について
    早急に手を打たなければ

     ※ マナが新たなる神となることへの打診。四神の負担を軽減する為。
       もしかしたら、キリンとなる為として既に薬物療法を始めている可能性もある。
       後に、五期生最強となったら五体目の神とするという話があったが、
       “早急に手を打つ”と言うあたり、そう思わせる




   マナ
    はい
    理事長先生



   倫花
    マナちゃん!?



   マナ
    理事長先生も仰いましたけど
    この件については他言なき様
    お願いします

    もし情報が漏れれば
    ビクニを出て行ってもらうことになります



   乱花
    お、おい
    猪名川、お前何を言って――



   マナ
    では失礼します



   倫花
    一体、何がどうなっているの?



   乱花
    ゴウザンゼ先生の中から
    女の子が出てきたように見えたけど



   小春
    なるほど
    なんとなく掴めてきました



   ヴァイオラ
    小春、何か知っているの?



   小春
    まだ確証がないので何とも言えません
    でも、これは「問題ない」事ではない
    とだけ言えます

    ヴァイオラさん
    少しお話があります
    一緒に来てください



   ヴァイオラ
    分かったわ



   乱花
    あっ、ちょっと二人とも!



   桃
    すまん
    猪名川たちを見失った

    どうやらこの島の地下には
    迷路の様な秘密の通路が
    張り巡らされているようだ

     ※ 物語のラストで同じことが語られるが、これも続編への布石と思われる




   満腹丸ちゃん
    あれっ
    定期戦はどうしたのだ?



   乱花
    終了だって



   満腹丸ちゃん
    えーっ!
    ケガしてもいいように
    体中にハチミツ塗ってきたのに!



   乱花
    うわっ、くっつくなって
    ベタベタするぅ



   倫花
    桃ちゃん
    あまり深追いしてはダメよ



   桃
    だが、あんなものを見て
    黙っていられるか?



   倫花
    何だかイヤな感じがするの
    ここは小春ちゃんに任せておこう?



   桃
    ……わかった
    月影は五期生の筆頭だからな
    私よりは動きやすいだろう

    月影たちには学校で会える
    その時に情報を共有しよう



   乱花
    猪名川は何か知ってたみたいだった



   桃
    そうなのか?
    ふむ……



   満腹丸ちゃん
    どうでもいいけど
    おなかすいたのだ~



   倫花
    そうね
    これ以上考えても仕方ないし
    ご飯を食べにいきましょうか



   満腹丸ちゃん
    さんせーい!
    なのだ!



   桃
    そうしよう
    まずは腹ごしらえだ
    行くぞ、乱花



   乱花
    う、うん……





 Drive13. 隠された真実


  13-A-前

   (食堂にて)

   倫花
    ふぅ……



   乱花
    お姉ちゃんってば
    ず~っとため息ばかりだね

    もしかして、どこか調子悪いの?



   倫花
    ううん、違うの

    ちょっと思い出してたの
    ゴウザンゼ先生との戦いのこと

    思い出すたびに胸がギュッとなって
    そのたびにため息が出ちゃう……



   乱花
    !!?

    お、お姉ちゃん
    ま、まさかっ!?



   倫花
    そうなの
    ずっと気になってて



   乱花
    い、いやぁ
    さすがにお姉ちゃんとは
    釣り合わないような……



   倫花
    え?
    何のこと?



   乱花
    ゴウザンゼ先生は女の人だよ?
    いや人なのかな……
    とにかく女性なの!



   倫花
    うん、知ってるよ
    先生もヴァルキリーなんだし
    当然女の人だよね



   乱花
    それが分かってて
    どうしてゴウザンゼ先生に恋なんて……



   倫花
    ら、乱花ちゃん?
    何の話かわからないけど

    乱花ちゃんも見たよね?
    女の子が出てきたとこ

    ほら
    先生から、ポロって……



   乱花
    あ、ああ、そっちね!
    その話か!
    よかったぁ……



   倫花
    よかった?



   乱花
    こ、こっちの話しだから
    続けて続けて



   倫花
    わかった
    ゴウザンゼ先生から出てきたのって……
    どうみても女の子だったよね?



   乱花
    私にもそう見えたよ
    でもどうして、ため息つくの?



   倫花
    だって……
    私のせいでケガをさせちゃったかも



   乱花
    あー
    裸だったしねぇ



   倫花
    もしケガをさせちゃったんなら
    お見舞いに行きたいんだ



   乱花
    そっかぁ……
    お姉ちゃんらしいね



   倫花
    理事長先生にあの子のことを
    聞いてみても大丈夫だと思う?



   桃
    その件についてだが
    あまり表立って動かない方がいい



   乱花
    九頭竜!



   倫花
    桃ちゃん、どういうこと?



   桃
    あの時、倫花はいやな感じが
    すると言っていただろう



   倫花
    あれは、何となくそう思っただけで
    根拠とかないし



   桃
    あの直感は恐らく当たっている



   乱花
    どういうこと?



   桃
    ……何にしても
    月影とヴァイオラの報告を待つことだ

    興味本位で首を突っ込んで
    ヤケドでは済まないかも知れない



   倫花
    でも、あの子のこと
    やっぱり気になるよ



   桃
    忘れろ
    私も忘れる



   倫花
    …………



   越後屋
    まいどっ!
    越後屋だよ!



   桃
    うおっ



   越後屋
    こないだ調査を依頼された
    裸の女の子の行方だけど~



   桃
    おいよせ!
    ここで喋るな!!



   倫花
    えっちゃん!
    あの女の子がどこにいるか知ってるの!?



   越後屋
    し、知ってるって言うか
    調べたんだよ、桃ちゃんから依頼されてさ



   桃
    くそっ
    台無しだ……



   乱花
    越後屋ってそんなこともやってたんだ

    ただのパンツ屋かと思ってた



   越後屋
    ひ、人聞きが悪いな!!
    他にも色々売ってるでしょお!



   乱花
    でもメインは下着でしょ
    あとエッチい服



   越後屋
    キミはえっちゃんを
    何だと思ってるわけよ……

    うちはね
    ポイントさえ払ってくれれば
    命以外はなんでも売るよ

    地獄の沙汰も金次第ってね

    それが越後屋の
    コーポレートポリシーってわけ



   倫花
    あの女の子はどこにいるの?



   越後屋
    城郭だねえ
    それもかなりの上層だよ



   桃
    越後屋、貴様!
    さらっと喋るんじゃない!
    殺すぞ!!



   越後屋
    んなこと言われたってさ
    せっかく調べたんだもの
    もったいないじゃん



   桃
    あとでこっそり
    私にだけ調査結果を知らせればいいんだ



   越後屋
    まーまー
    友達同士で隠し事は
    良くないんじゃないかな?



   桃
    くっ、こいつ
    殺したい……っ



   越後屋
    てなわけでぇ
    分かったのはそこまで

    細かい居場所まではわかんなかったね

    もっと調べるなら
    ぷりーずぎぶみー追加料金だよん



   桃
    好きなだけ持って行け



   越後屋
    まいどありー!
    それじゃ何か分かったら知らせるよ~



   桃
    ……ちっ
    使えないヤツだ



   倫花
    桃ちゃん、あの子のこと
    調べててくれたんだね!



   桃
    別にお前のためじゃない



   倫花
    それでも嬉しいよ
    ありがとう、桃ちゃん!
    大好き!!



   桃
    どうせポイントの使い道も
    他にないんだ



   倫花
    ゴウザンゼ先生から出てきた
    あの子……

    お城にいるんだね



   桃
    …………



   倫花
    私これから、お城に行ってみる



   桃
    こうなると思ったから
    教えたくなかったんだ

    止めても行くんだろう?



   倫花
    ごめんね、桃ちゃん
    どうしても気になるの
    だから行ってくるね!



   乱花
    待ってよお姉ちゃん!
    私も行く!

    って、ああも~
    食器とか片付けてないじゃん!

    散らかしっぱなしなんだから
    こういうの、月影がうるさいんだよね

    私がいないとダメな
    お姉ちゃんなんだから
    もう



   桃
    嬉しそうだな



   乱花
    まあね
    一人で入院してた時は
    寂しかっただろうし

    今日もずっと溜息ばかりだったんだ

    ふさぎ込んでるよりも
    ああやって何かしてた方が
    お姉ちゃんらしいもん

    で、九頭竜はどうすんの?
    一緒に行く?



   桃
    私はもう少し探っておく
    倫花を追うなら急げ

    冗談抜きでヤバい案件かも知れない

    少しでも危険な雰囲気を
    感じたら、倫花の首根っこを
    引っ張ってでも逃げ出せ

    いいな



   乱花
    わかった、ありがと
    じゃあ食器の後片付け、よろしくね



   桃
    ……えっ!?
    ちょっと待……



   乱花
    行ってくる!



   桃
    ……しょうがないな
    こういのは見つかると
    月影がうるさいからな



   満腹丸ちゃん
    ピーちゃん
    お片付けご苦労様なのだ



   桃
    ちっ………



   満腹丸ちゃん
    ついでにまんぷくまるちゃんが
    食べた分も片しておいてー



   桃
    貴様は八つに裂いて殺す!



   満腹丸ちゃん
    わあああ!
    な、なんで怒ってるのだ?
    おっお助けぇぇぇぇええ!



   (城郭前にて)

   倫花
    こんにちは~
    誰かいませんか?



   ダイイトク
    ……何の用だ?



   倫花
    あっダイイトク先生
    ちょっと聞きたいことがあって



   ダイイトク
    ダメだ



   倫花
    ……えっ?
    あの、まだ何を聞きたいか
    言ってないんですけど



   ダイイトク
    それでもダメだ
    何も答えられねぇ

    イイ子だから、そのまま
    回れ右して帰るんだ



   倫花
    昨日、裸の女の子が
    ここに運び込まれたはずなんですけど



   ダイイトク
    人の話を聞け!



   倫花
    あの女の子のお見舞いにきたんです
    入れてください



   ダイイトク
    いい心がけだぜ
    いい心がけだが……
    ダメなもんはダメだ



   倫花
    も、もしかして……



   ダイイトク
    何か気づいているのか?
    だが、それを口に出すなよ

    口に出せば最後
    貴様を咬み殺さなきゃ
    ならなくなっちまう



   倫花
    お見舞いのお花を
    持ってこなかったから?



   ダイイトク
    ……は?



   倫花
    ごめんなさい
    急いでたものだから
    手ぶらで来てしまって



   ダイイトク
    あ……いや、なんだ……



   倫花
    先生?



   ダイイトク
    あー、そいつぁまだ治療中でな
    誰も通すなって言われてんだ



   倫花
    そんなに悪いんですか!?
    だったら、なおさら……



   ダイイトク
    気持ちは分かるが諦めな
    ここは通せねえ

    出直してこい!



   倫花
    あ、あの、ダイイトク先生!
    待ってください!


    うう、どうしよう
    困ったな



   乱花
    お姉ちゃん~どこ~?



   倫花
    あ、乱花ちゃん
    こっちこっちー!



   乱花
    ふう、やっと追いついた

    どう、お見舞い出来た?



   倫花
    ううん、入り口で先生に
    追い返されちゃった



   乱花
    そっか
    じゃあしょうがないね
    今日はあきらめようよ

    (独白開始)

    九頭竜がヤバい話しかもって
    言ってたし

    当たり障りのないこと言って
    引き離しておかなくちゃ

    (独白終了)

    これから
    一緒にのんびりお風呂にでも行かない?



   倫花
    一緒にお風呂?



   乱花
    そう、バラの香りの入浴剤使ってさ
    絶対楽しいよ

    ね? ね?
    リフレッシュしようよ



   倫花
    うーん

    ごめん
    ちょっと用事があるんだ



   乱花
    用事?
    どんな?



   倫花
    お城に入れてもらえなかったのは
    手ぶらだったからだと思うんだよね



   乱花
    いや、そんなことないと思うけど



   倫花
    これから越後屋さんへ行って
    お花とプリンを買おうと思って
    乱花ちゃんも一緒に来る?



   乱花
    ん、ちょっと待って

    (独白開始)

    これが本当にヤバい話しなら
    そんなんでお城に入れてもらえる
    わけないよね

    うん、お花とプリンでも無理なら
    お姉ちゃん、あきらめるかな

    今、お姉ちゃんから
    目を離したくないし……

    (独白終了)

    そうだね、越後屋へいこっか



   倫花
    決まり!
    じゃあさっそく行きましょ

   (拠点にて)


    お花だけで大丈夫かな
    花瓶も買っていった方がいいかな



   乱花
    鉢植えでいいじゃん



   倫花
    ダメだよ
    入院のお見舞いに鉢植えは失礼なんだよ



   乱花
    ふーん



   倫花
    越後屋さんに
    花瓶って売ってたっけ



   越後屋
    まいど!
    えっちゃんを探してた?
    探してたよね?



   乱花
    び、びっくりしたぁ……
    神出鬼没にも程があるよ



   越後屋
    何せ、地獄耳だからね
    商売人は情報が命!

    で、何かご入り用かな?



   倫花
    お花とそれを
    生けられる花瓶が欲しいの



   越後屋
    ほいほい
    おやすい御用だよ
    他には?



   倫花
    あ、メロンは…高いよね…
    やっぱりプリンにしよ



   越後屋
    はいな
    何だかお見舞いの品みたいだね~



   倫花
    お見舞いです



   越後屋
    ……えーっと
    どなたのお見舞い?



   倫花
    あ、そうだ
    詳しいお部屋の場所も教えて欲しいな



   越後屋
    な、何の部屋の話?



   倫花
    ゴウザンゼ先生の中から
    出てきた裸の女の子が
    運び込まれたお城の部屋の話



   越後屋
    わー!
    わー!わーッ!!
    声が大きいぃぃぃ!



   倫花
    ふぇっ?



   越後屋
    情報の取り扱いには
    細心の注意を払って欲しいんだけど!



   乱花
    ちょっと越後屋
    今の態度、すっごく気になるんだけど



   越後屋
    何ですかね



   乱花
    あの情報って
    大きな声で話しちゃまずい話なわけ?



   越後屋
    そらそーよ

    あの情報を掴むのに
    桃ちゃんがいくら払ったか知ってるの?



   倫花
    知らない
    いくらだったの?



   越後屋
    教えません!
    顧客情報は極秘中の極秘デース



   乱花
    うわっ
    イラっときた



   越後屋
    とにかくね

    あの情報はS級のヤバネタさ
    そこらでベラベラ喋ったりすると
    命が危ないよ?



   乱花
    なんでそんな危ない情報を売ったのさ



   越後屋
    言ったでしょー
    売れと言われれば
    命以外は何でも売るって

    例えばね?
    お客さんに爆弾を売ったとするでしょ



   倫花
    ば、爆弾?



   越後屋
    その爆弾をお客さんが
    どう使おうが、えっちゃんは関知しないわけ

    ただ爆弾ってことすら
    知らなかったみたいだから
    それは教えてあげる

    ポッケの中で爆発させて
    死にたくないでしょ



   乱花
    どうする?
    お姉ちゃん



   倫花
    思ってたよりもずいぶん
    深刻な話しになって来ちゃったね



   越後屋
    そうそ
    シリアスな爆弾なのさ
    触らない方がいい



   倫花
    でも聞いちゃったもの
    知らないフリなんて出来る?
    乱花ちゃん



   乱花
    お姉ちゃんが、そういう
    器用なマネを出来ないのは知ってる



   越後屋
    お? お?
    なんだいなんだい拉致する気かい

    こんなもん
    モニタのスイッチをオフすればいくらでも



   乱花
    んじゃ店舗の方を
    ぶっ壊そうか



   越後屋
    んにゃっ!?
    そ、そそそれはやめて?
    お店に手を出すのはよそう?



   乱花
    んじゃ、知ってることを
    洗いざらい吐いてもらおうか



   越後屋
    あのね、キミたち
    今、完全に悪役だよ?
    わっるい顔してるよ?



   乱花
    あーあー
    パンツの自販機を壊したい
    衝動がむくむくとー



   越後屋
    やーめー!
    あれだけは許して!
    えっちゃんの生き甲斐なの!



   乱花
    んじゃあ
    全部喋って楽になっちまおうや
    なあ? 越後屋さんよう



   越後屋
    うぐぐぐ……
    こうなったら最後の切り札を使うしか

    用心棒のセンセイ!!
    お願いしまっす!



   ???
    応!
    なのだ!



   倫花
    ひやぁぁあぁんっ!

    や、やめ……
    ああぅぅ……



   乱花
    こらー!



   満腹丸ちゃん
    ふぅ……
    またつまらぬものを揉んでしまったのだ
    ちゃきん!

    ところで、成功報酬はカツ丼何杯なのだ?



   越後屋
    3杯でどう?



   満腹丸ちゃん
    うむ
    やる気が失せたのだ
    これにて失礼させて頂こっかなー



   越後屋
    ひゃ、ひゃく出すよ!
    お店を守ってくれたら
    何でも好きな丼モノ100杯!



   満腹丸ちゃん
    ほう、契約成立なのだ!
    ほら、狼藉者は帰った帰った



   乱花
    狼藉者はそっちでしょ!

    それに人のお姉ちゃんの胸を揉んでおいて
    その言いぐさはなんなのよ!

    訂正しろ!
    お姉ちゃんのおっぱいは
    断じてつまらなくない!



   満腹丸ちゃん
    んー
    聞こえませぬなー



   乱花
    くっ、アホ面で言われると
    すっごいムカつく……!



   満腹丸ちゃん
    言っておきますがー
    おっぱいの大きさならば!

    まんぷくまるちゃんの
    まんぷくまるちゃんの方が
    巨乳でございますけれども?



   乱花
    大きければいいって
    もんじゃないんだよ!

    形、色、艶、そして味……
    お姉ちゃんのおっぱいは
    どれをとっても最高なんだーッ!



   越後屋
    味って……



   倫花
    乱花ちゃあん
    もうやめてえ

    お姉ちゃん
    恥ずかしくて死んじゃいそう



   乱花
    ダメだよ
    こういう大事なことは
    ハッキリさせておかないと



   倫花
    大事じゃない
    ちっとも大事じゃないよぉ



   乱花
    言えッ!
    神楽坂倫花のおっぱいは
    素晴らしいですって!



   満腹丸ちゃん
    イーヤなーのだー
    おしーりぺーんぺーん



   乱花
    許さない……
    絶対に許さない!

    満腹丸を雇った越後屋にも
    お仕置きが必要だね!



   越後屋
    あれ、あれれ~?
    余計問題がこじれた!?



   乱花
    私が勝ったら
    質問に一つ答えてもらう!



   越後屋
    ま、満腹丸ちゃんが勝ったら?



   乱花
    腹いせにお店を破壊する!



   越後屋
    ふぎゃーっ!
    どっちにしてもえっちゃん
    ひとつもおいしくない!



   月影
    何の騒ぎです?
    ここでの戦闘は禁止されているはずでしょう



   越後屋
    小春ちゃん、いいところに!
    何とか止めて欲しいんだけど!



   小春
    何を揉めているんです?



   越後屋
    それは……
    ちょっと言えないんだけども



   小春
    とにかく、ここは
    みんなの憩いの場です

    話すにしても戦うにしても
    外に出ましょう



   乱花
    ちぇっ
    わかったよ



   (別の場所へ移動)

   小春
    で、どうするんです?
    双方の言い分を聞きましょう



   越後屋
    だ、だから
    それは言えないんだよー



   小春
    そちらは?



   乱花
    お姉ちゃんのおっぱいへの
    暴言を取り下げろコノヤロー!



   倫花
    あ、あれっ?
    趣旨が変わってない?



   満腹丸
    それだけはできませんなー

    赤子泣いてもフタ取るなと
    代々満腹家に伝えられているのだ



   小春
    あの、双方の言い分がちょっと
    いえ、かなりわからないんですけども



   乱花
    待って待って
    あんたって満腹が苗字で
    名前が丸なの?



   満腹丸ちゃん
    ええっ?

    まんぷくまるちゃん個人の
    アイデンティティ的なところって
    まるのとこだけ?

    それはちょっと……



   乱花
    いや、困った顔されても
    自分でそう言ったんじゃん
    満腹家って



   満腹丸
    まる……
    それはまんぷくまるちゃんが
    まるくて可愛いから?

    いや、まるというのは
    スッポンのことかもしれません
    和食の用語的に



   小春
    …………



   倫花
    あの、小春ちゃん



   小春
    しゃべらないで

    倫花さんと乱花さん
    そして私と満腹丸ちゃんさんが
    ペアということで

    勝負に負けたら
    勝った方の言い分を飲む

    何の言い分だか知りませんが

    それでよろしいですね?



   乱花
    いいけど……
    月影、なんか怒ってる?



   小春
    怒ってません



   倫花
    なんだかゴメンね
    小春ちゃん



   小春
    ではさっさと始めて
    さっさと終わらせましょう




  13-A-後

   (苦戦した場合 ここから)

   満腹丸ちゃん
    いいところまでは

    いったのだ



   倫花
    でも負けは負けだよ
    満腹丸ちゃん



   満腹丸ちゃん
    しょうがない
    んじゃ用心棒代をいただくのだ



   越後屋
    負けた分、ギャラは
    減額しといたからね

    はあ、踏んだり蹴ったりだぁ



   満腹丸ちゃん

    ではいただいたポイントで
    ごはんをいただいてきます!

   (苦戦した場合 ここまで)



   (余裕の場合 ここから)

   満腹丸ちゃん
    う~ん、負けちゃったのだ
    ざーんねーんむねんなのだ~



   倫花
    満腹丸ちゃんったら……
    全然悔しそうに聞こえないよ?



   満腹丸ちゃん
    勝負には負けたけど
    用心棒代はもらえるのだ
    ビバ歩合制!

    で、カツ丼換算で何杯もらえるのだ?
    30杯? 50杯?



   越後屋
    あんな働きじゃ、たくあんの
    シッポしか払えないよっ!



   満腹丸ちゃん
    ふわっ!?
    それはそれで、ごはん3膳は
    いただけますけど

    なれば炊飯なのだ!
    ではっ!



   (余裕の場合 ここまで)

   小春
    とにかく勝負の結果には
    従ってもらいますよ
    越後屋さん



   越後屋
    うう~
    で、倫花ちゃんは何を聞きたいの?



   倫花
    例の女の子のことを教えて
    大丈夫なの? 無事なの?



   越後屋
    あー、んー
    精密検査とか残ってるけど
    体に異常はないってさ

    検査しなくたって
    ケガなんてあるわけがないんだよ



   倫花
    どういうこと?



   越後屋
    あわわわ……口が滑った
    と、とにかくケガなんてないから
    倫花ちゃんも気にしないことだよ

    というわけで、質問タイム終了!
    ご清聴ありがとうございましたっ!



   乱花
    あっ、逃げた!



   倫花
    えっちゃんてば
    ずいぶん必死だったね



   小春
    あの、今のはもしかして
    ゴウザンゼ先生の中から
    出てきた女の子の話ですか?



   乱花
    それだよ
    何か、おかしいよね
    月影はどう思う?



   小春
    …………

    …………
    …………

    V-ウイルスについては
    まだ分からないことだらけです

    隠されていることもあるでしょう
    それでも、私は理事長を信じます

    今は余計なことを考えずに
    鍛錬に励むべきではないですか?

    では失礼します



   乱花
    行っちゃった……
    なにあれ

    それで、どうするの?
    お姉ちゃんはどうしたい?



   倫花
    もっと知りたい

    人を疑いたくないし
    理事長先生も信じたいけど
    でもやっぱり気になるよ



   乱花
    でも、かなりヤバそうだよ



   倫花
    ゴウザンゼ先生から出てきた
    あの女の子ね

    私にそっくりだったんだ



   乱花
    そうだっけ?
    いや、全然似てなかったよ



   倫花
    私と同じ目をしてた
    あの子、きっとヴァルキリーよ



   乱花
    この島にいるんだから
    ヴァルキリーだっておかしくないね
    でも、どういうことなんだろう



   倫花
    この島には、わたしたちに
    隠している何かがある



   乱花
    ……うん



   倫花
    それはきっと、わたしたち
    ヴァルキリー全員に関わることだよ

    何を信じればいいのか
    私はそれを知りたい

     ※ 鋭い



   乱花
    私はお姉ちゃんが信じるものを信じる
    それでいい



   倫花
    ありがとう、乱花ちゃん
    でも危ないことはしちゃ
    ダメよ?



   乱花
    それはこっちのセリフ
    なんだけどなぁ……

    取り合えず一度戻ろうよ
    九頭竜も気にしてたみたいだし
    ヴァイオラにも話を聞かなくちゃ



   倫花
    そうだね
    真実を見極めよう




  13-B-前

   桃
    神楽坂姉妹は
    退く気はなし……か

    さて、のんびりして
    いられなくなった

    この件ばかりは
    乱花と倫花だけには任せておけない

    あの二人は仲がよすぎる
    きっと相手のためを思って無茶をするだろう

    いや、私も同類か
    どうやって二人の力になろうか
    そればかり考えている

    正攻法は二人に任せるか……

    (城郭前にて)

    巡回警備は30分ごとか
    変更されていないようだな



   満腹丸
    カップラーメン10個分なのだ
    ディナーなら何個分なのだ?



   桃
    ディナーは個数で数えない
    侵入前だから静かにしろ



   満腹丸ちゃん
    ピザ、ステーキ、パスタ、スペアリブ、
    天ざる、天ぷら、天むす……

    豪華ディナー!
    たーのしみ!



   桃
    はぁ……
    成功報酬だぞ



   満腹丸ちゃん
    お任せあれ
    難しい任務ほど燃えるのだ
    腹が鳴るぜ~



   桃
    それを言うなら腕が鳴る、だ



   満腹丸ちゃん
    腹が鳴るのだ!

    (ぐぅ~)

    ほらね?



   桃
    隠密行動なんだ
    頼むから、静かにしてくれ

    (ぐぅ~)


    腹の音で返事をするな

    ちっ……
    選択肢が少なかったとはいえ
    エクスターの選択を間違えたか?



   満腹丸ちゃん
    ヘマはしないのだ
    豪華ディナーをゲットして
    今度こそピーちゃんと宴会するのだ



   桃
    お前、そんな約束をまだ……



   満腹丸ちゃん
    にひー
    それがまんぷくまるちゃんの
    いいところ



   桃
    ふう、他に選択肢もないんだ
    行くぞ、満腹丸



   満腹丸ちゃん
    ほいほいさー



   マナ
    警備システムに反応が
    あった場所はこの先ですね
    記録を見せて頂ける?

    ………… (悲しげな表情を見せるマナ)

    あらあら、神楽坂姉妹が
    来ると思っていましたのに
    ハズレの方でしたね

    来たのはクズとブタでしたか



   小春
    あの二人をどうするつもりですか?



   マナ
    あら、以外……でもないですね
    真実を知ってこちらに付きました?



   小春
    あなたには関係ありません



   マナ
    ふうん、ま、いいけど

    で、あの二人をどうするか
    でしたっけ

    それは相手次第です
    ……来ました

    ようこそ、不法侵入者さん



   桃
    猪名川に月影か
    お前たちに用はない



   満腹丸ちゃん
    そうなのだ
    豪華ディナー以外に用はないのだ!



   マナ
    そちらにはなくても私にはあるの
    いえ、私たちには、かしら?



   桃
    ……月影、貴様
    あれを見て、知っていて
    そちらに立つのか?



   小春
    桃さん、お願いです
    ここは退いて下さい

    今いたずらに混乱を
    巻き起こすわけにはいきません

    ここは私に任せてもらえませんか?



   桃
    ふん
    心にやましいことがあるヤツほどよく喋る

    言葉などいらない
    黙ってここを通せばいい

    だが
    あくまで立ち塞がろうというのなら――

    殺す



   小春
    桃さん!!



   マナ
    あらまあ、怖い怖い
    ですが二人と一人では勝負になりません
    月影さん、お願いできるかしら?



   小春
    言われなくてもそのつもりです
    リブレイターはあなたがどうぞ



   マナ
    ありがとう
    では、行きますわよ

    それじゃ、クズを……
    いえ、九頭竜さんたちに
    教育的指導を行いましょうか



   小春
    ……くっ




  13-B-後

   小春
    桃さん、大丈夫ですか?



   桃
    私の身体に触るな!
    お前など信用できるか



   満腹丸ちゃん
    ごめんなのだ……
    お腹が空いて力が出なかったのだ……
    ディナーが楽しみすぎたのだ



   マナ
    良かったじゃないですか
    負けた言い訳が出来て
    ブタのせいで負けたってね



   桃
    ふざけるな!



   マナ
    手こずりましたが指導完了
    ということでいいでしょう

    月影さん、助かりました



   小春
    礼には及びません
    島の秩序を守り、五期生を
    導くのは筆頭の務めです



   マナ
    その通りです
    筆頭の務め……
    いい響きですね

    では、そこに転がってる
    ゴミの後始末もお願い出来ます?



   小春
    警備員に引き渡すのでは?

     ※ それだと島から追い出されてしまう?



   マナ
    月影さん
    大切なことを忘れています

    この島で一番大切なものは何です?
    戦いによる自らの昇華でしょう?

    お二人ともよく頑張りました
    とってもいい戦いでしたわ



   小春
    マナさん、あなたは
    何を知っているんですか?



   マナ
    月影さんが知らないこと
    ぜーんぶ、です

    みんなが幸せになれるんです
    うふふ……



   桃
    猪名川……



   マナ
    あらあら、怖い顔ね
    どうしたんですか?



   桃
    お前が何を知っていようが
    何を考えていようが
    私には関係ない

    私が神楽坂姉妹を、いや
    ヴァルキリーの未来を守る



    マナ
    殺すのが大好きなバトルマシーンが
    ずいぶんと変わったものですね

    ヴァルキリーの未来を守る?
    じゃあ私も守ってもらえるのかしら?

     ※ 桃のその気持ちを、僅かでも当初のマナに向けられていれば……



   桃
    私の邪魔をしなければな



   マナ
    あっはははははは!
    無様に負けておいて
    面白いことを言いますね



   桃
    ぐ……うっ……



   マナ
    ほら、行きなさい

    逃がしてあげると言ってるんです

     ※ まだ桃に対する想いは残っているのだろう



   満腹丸ちゃん
    なんだろ……
    この場所、すごくやな感じなのだ
    ピーちゃん、帰ろ……?



   小春
    一度退いて下さい
    お願い、桃さん



   マナ
    そろそろ巡回の警備員が
    来る頃ですよ



   桃
    ……満腹丸、退くぞ



   マナ
    それでは、ごきげんよう
    次もまた、素敵な戦いをしましょう



   小春
    …………





 Drive14. 作られた楽園


  14-A-前

   (拠点にて)

   倫花
    乱花ちゃん
    お城に忍び込む準備は進んでる?

    ロープは必要だよね
    レオタードっていると思う?



   乱花
    だからさ、お姉ちゃん
    そういう危ないことはよそうよ



   倫花
    ごめんね
    乱花ちゃんの頼みでも
    それは聞けないの

    私が信じるものを
    乱花ちゃんも信じるって
    そう言ってくれたでしょう



   乱花
    ……言った



   倫花
    私ね
    すごく嬉しかったんだよ

    あの時、乱花ちゃんのことは
    私が守らなくちゃって心に誓ったんだ

    だから――



   乱花
    お姉ちゃんの気持ちは分かるよ
    心に誓ったのもすっごく分かる

    でもね
    でも現実を考えようよ

    どう考えても無理だって
    一度失敗しちゃってるんだから

    今はとんでもなく警備が
    強化されてるってことだよね
    九頭竜?



   桃
    すまない
    私が猪名川と月影に負けなければ
    もう少し時間を稼げた

    いや、それどころか
    逆に状況を悪くしてしまった



   倫花
    桃ちゃんのせいじゃないよ
    よしよし……



   桃
    こ、子供扱いはやめてくれ



   乱花
    いいなぁ
    私もお姉ちゃんにナデナデされたい……

    じゃなくて!
    真面目に考えようよ



   倫花
    ビクニには何かとんでもない
    秘密が隠されてる



   乱花
    でもそれが具体的に何なのか
    私たちは糸口すら掴めてない

    これじゃ何を調べたら
    いいのかもわかんないよ



   倫花
    きっかけは、ゴウザンゼ先生の
    体の中から出てきた裸の女の子だったよね



   乱花
    そこから意味不明だもん
    どういうこと?
    ていうか誰なの?



   桃
    少なくとも五期生ではない



   乱花
    なんでそんなこと分かるのさ



   桃
    初めて見た女だったからだ



   乱花
    え……九頭竜、もしかして
    五期生全員の顔を覚えてんの?



   桃
    名前もだ
    敵はどこに潜んでいるかわからない

    なにしろビクニは
    極秘研究の宝庫だからな

    様々な企業や国家がスパイを
    送り込もうと躍起になっているだろう

    まあ実際、スパイなど入り込んだら
    私が気付く前にビクニの管理側が
    気付くだろうが――

    とにかくあの女は五期生じゃない
    それは確かだ

     ※ それでも四神の力を、理事長は一般生徒には
       見せたくはないようであった。 入島には審査もある




   倫花
    桃ちゃん、すごーい
    ナデナデしちゃう



   桃
    よ、よせってば



   乱花
    あーっ!
    また!!

    は、話を続けよ?
    お姉ちゃんは、あの子を
    ヴァルキリーだって言ったよね



   倫花
    うん
    たぶん間違いないと思う



   乱花
    つまりゴウザンゼ先生の中から
    出てきた裸の女の子の正体は
    五期生じゃないヴァルキリー?



   桃
    マクラが長かった割には
    つまらん結論に落ち着いたな



   乱花
    しょうがないでしょ
    推理小説じゃないんだから



   桃
    治療が済んだのなら帰還するだろうし
    そうでないのなら他の島へ送られるか
    ここで死んだか――

    いずれにせよ四期生までの
    感染者がこの島にいるはずがないんだ



   倫花
    ――あっ



   桃
    どうした?
    何か気付いたのか



   倫花
    ちょっと待って
    考えさせて

    いなくなった人がいるってことは
    いるはずの人がいないってこと……?
    ううん、違うな、そうじゃない

    ……まさか、そういうこと?

     ※ いるはずの人とは先輩のことで、卒業した者はいない



   乱花
    何か分かったの?



   倫花
    ただの思いつきだよ
    自分でも突飛すぎって思う

    でも、理屈は合う……



   乱花
    聞かせてよ、お姉ちゃん
    話してみて



   桃
    憶測でも推論でも構わない
    今はひとつでもヒントが欲しい



   倫花
    ご、ごめんなさい
    ちょっと考えをまとめさせて



   乱花
    じゃあさ、ちょっと散歩しない?
    私、行きたいところがあるんだ
    ちょっと気になることがあって



   倫花
    気になること?



   乱花
    それは歩きながら話すよ
    お姉ちゃんも、その間に
    ゆっくり考えをまとめればいいし

    たぶん
    みんな気になってると思うんだけどなあ

   (訓練場にて)


    (独白開始)

    私と九頭竜は歩きながら
    お姉ちゃんの推測を聞いた

    それは突拍子もなくて
    でも怖いくらい真実味がある話だった

    (独白終了)



   桃
    倫花の話は分かった
    にわかには信じられんが辻褄は合う

    問題は、それをどうやって
    証明するかだが――



   乱花
    まずは私に任せてよ
    私が気になってることと少し関係あるかも



   倫花
    そう言えば、乱花ちゃんの気になることって?



   乱花
    すぐにわかるよ
    ここが目的地だから



   桃
    修練場で何をするつもりだ?



   乱花
    こんにちはーっ
    コンゴウせんせーい!
    いますかーっ?



   コンゴウ
    どうした?
    自主練なら付き合おうぞ



   乱花
    違うんです
    今日は質問があって来ました



   コンゴウ
    質問か
    我に答えられるものだとよいが
    言ってみよ



   乱花
    先生って、そもそも
    何なんですか?



   コンゴウ
    ム……



   乱花
    なんでそんなに大きいんですか?
    その鎧の中って、どうなってるんですか?



   コンゴウ
    ムム……



   乱花
    もしかして裸の女の子が
    詰まってたりしません?



   倫花
    教えて欲しいの
    先生、お願い!



   コンゴウ
    うむ……
    弟子の質問に答えるのは師の務め……

    だが、否である!!!



   倫花
    ええーっ!

    ど、どうして!?



   コンゴウ
    理由は至極明解
    それは、乙女の秘密だからである



   倫花
    お、乙女っ!??



   コンゴウ
    乙女なりっ!!

    我、乙女、なりっ!!!!!



   乱花
    あっ、逃げられた!!



   桃
    ゴウザンゼ先生の中から
    女の子が出てきた……

    ならばコンゴウ先生も
    同じかもしれないと思ったワケか



   乱花
    いつの間にか当たり前に
    なっちゃってたけどさ

    四神って何なの?
    あんなのビクニ以外で見たことがないもん

    で、さっきのお姉ちゃんの話を聞いて
    もしかしてって思ったんだ



   倫花
    答えてはもらえなかったけど



   乱花
    たぶんイイトコ突いたと思うよ
    あのコンゴウ先生のリアクション
    動揺しまくりだったし



   (修練場近くにて)

   ヴァイオラ
    天然の姉にアホの妹なんて
    放っておいていいと思ったけど
    面白そうなコトしてるわね

    ねえ、小春
    まだ倫花のことが気になる?



   小春
    バカな真似をしないかどうか
    それだけが気になります



   ヴァイオラ
    彼女を助けたいの?



   小春
    ……助けるって
    どういうことなんでしょう

    どうすれば彼女を助けられるんでしょう

    事実は一つでも
    真実は一つではありません

   ※ (その人にとっての)真実




   ヴァイオラ
    ふぅん、真実ね……
    私はどうでもいいけど



   マナ
    お二人とも、こんにちは



   ヴァイオラ
    何か用?



   マナ
    月影さんに聞きたいことがあります
    あの子たちを野放しにしておくのですか?



   小春
    ……私には関係のないことです



   マナ
    それはおかしいですねぇ?

    この島において最も重要なのは
    自己の研鑽とそれによる成長――
    つまりVR-ウイルスの制御です

    私はてっきり、それを忘れて余計なこと
    に首を突っ込むあの姉妹に、月影さんが
    厳しい指導をするものとばかり……



   小春
    もうじき、定期戦が始まります
    その時に、倫花さんと乱花さんの
    真価をはかります

    もしも彼女たちが自己の成長を軽んじて
    いるのなら、相応の結果になるでしょう



   マナ
    わかりました
    私も楽しみにしておきます

    それでは、ごきげんよう



   ヴァイオラ
    話の内容がこれっぽっちも
    理解できなかったんだけど

    私たちと神楽坂姉妹を
    ぶつけたがっていること以外はね



   小春
    そうですね



   ヴァイオラ
    ま、なんでもいいわ

    私は小春を信頼すると決めたの
    小春が戦うと決めたなら従うわ

    もちろん、そうじゃない時も



   小春
    ヴァイオラさん……



   ヴァイオラ
    ふん、ビクニの真実だとか
    心の底からどうだっていいの

    私はあなたと共に戦いたい
    ヴァルキリードライヴこそが
    私の魂が強く光輝く瞬間だから

    強くありたいと思った瞬間から
    世界中を敵に回す覚悟くらい
    とっくにできているわ



   小春
    ありがとう
    ヴァイオラさん



   (一般区画にて)

   倫花
    すみませ~ん
    ちょっといいですか?



   店員
    いらっしゃいませ~

    学生さんですね
    本日のお薦めは、抹茶パフェです



   倫花
    うわぁ、美味しそう!



   乱花
    違うでしょ、お姉ちゃん



   倫花
    そ、そうだった
    聞きたいことがあるんです
    いいかな?



   店員
    なんでしょうか?



   乱花
    卒業生のことを聞きたいの



   倫花
    四期生までのみなさんって、本当に
    治療を終えて島を出たんでしょうか?



   店員
    …………

    本日のお薦めは、抹茶パフェです



   倫花
    そうじゃなくって……



   店員
    本日のお薦めは、抹茶パフェです



   倫花
    あ、あの……



   店員
    本日のお薦めは、抹茶パフェですよ



   倫花
    どうしよう
    店員さんを怒らせちゃったのかな



   乱花
    ううん
    怒った訳じゃないみたい……



   店員
    抹茶、抹茶、ままっ、まままっ茶っ!

    チャ、チャチャ、チャチャチャ……
    ほ、ホホ……ホンジ……、オス……



   倫花
    なっ、なにこれ!?
    やぁん、抱きつかないで!!



   乱花
    これ、ロボットだよ!
    おい、お姉ちゃんに触るな!

    んぎゃあ!!
    お尻触ったの誰だーっ!!



   店員
    まっチャ!
    ぱっ、ぱぱぱぱっ、パフェッ!!



   倫花
    もしかしてこの街のお店の人って
    みんなロボットだったの……?



   乱花
    それにしたって卒業生のことを
    聞いた途端これっておかしいでしょ!
    ひいっ! 触るな! 揉むな!!



   店員
    本日の抹茶はオススメっ
    ぱっぱぱっ



   乱花
    キリがないよ!
    外からどんどん押し寄せてくる!



   倫花
    乱花ちゃん、ドライヴしよう
    とにかくここから出なきゃ



   乱花
    オッケー!!
    相手がロボットなら容赦しないぞ!
    ボコボコにしてやるっ!

   (別の場に移動)

    はあ、ふう
    なんとか逃げ出せた



   倫花
    人間の店員さん
    みんなロボットだった……



   乱花
    お姉ちゃんの推測が
    いよいよ真実味を帯びてきたね



   桃
    他の店も調べてきたが
    五期生を除いたほとんどの島民が
    ロボットだと考えた方がよさそうだ



   倫花
    おつかれさま、桃ちゃん
    ロボットの人に襲われなかった?



   桃
    何の話だ?
    卒業生についての質問には
    まともに答えなかったが



   倫花
    ううん、いいの
    これって他の島でも普通なのかな……
    どう思う?



   桃
    他の島のことは知らない
    私に分かるのは……



   倫花
    わかるのは?



   乱花
    過去の生徒の情報を入手する
    方法がない……ってことだよね



   桃
    過去の生徒の情報か
    卒業アルバムでもあればいいんだがな



   乱花
    聞いてみよっか?



   倫花
    聞くって誰に?
    ロボットの人たちは何も教えてくれなかったよ



   乱花
    適任者がいるじゃん

    おーい、越後屋!!



   越後屋
    ……なに?
    えっちゃん今ちょーっと
    お忙しいんだけど



   乱花
    ポイント次第で
    命以外は何でも売るって言ってたよね?



   越後屋
    ゆ、ゆったかなぁ
    そんなこと~

    城の女のコのことは
    昨日以上のことは知らないよ!
    ホントだよ!!

    いやぁ、残念
    ホントに残念だなー



   乱花
    それはいいの
    聞きたいのは卒業生の行き先だから

    この島の流通を一手に
    引き受けてるんだよね?

    船の手配だとかも越後屋の
    仕事なんじゃないの?



   越後屋
    本日は越後屋をご利用頂き
    真にありがとうございました



   倫花
    えっ、閉店?



   越後屋
    急にお腹が痛くなったので
    しばらく休業しますので!
    そーゆーわけで、じゃっ!



   乱花
    全然懲りてないんだな、あいつ



   倫花
    あんまり問い詰めるのは
    可哀想だとも思うんだけど



   桃
    背に腹は替えられん
    どうせ店にいるんだろう
    扉を爆破して引きずり出そう



   越後屋
    にゃーッ!?
    そういうのやめて?
    ホントやめて!

    脅迫とかするヒロイン
    見たことないっしょ!
    そんなの人気出ないっしょ!



   桃
    強迫?
    これは脅しじゃない



   越後屋
    ま、またこんな展開だよ

    ううっ、用心棒のセンセイっ……
    お願いしますっ!



   ???
    応! なのだ!
    2回目なのだ!



   満腹丸ちゃん
    じゃじゃじゃじゃーん!
    呼ばれて飛び出てもう満腹!
    まんぷくまるちゃんなのだ!

    今度はしくじらないのだ
    きちんとごはんも食べてきましたし

    歩合も成功報酬もまるっと頂いて
    もりっといただきますなのだ



   桃
    潔いな
    ならばヴァルキリードライヴで決着をつけるか?

    お前も戦いを尊ぶヴァルキリーの
    端くれだろう



   満腹丸ちゃん
    その言葉を待っていたのだ!

    さすがはピーちゃん!
    まんぷくまるちゃんのリブレイターなのだ!



   桃
    ……は?



   倫花
    え?



   乱花
    え??



   桃
    どうしてそうなる!



   満腹丸ちゃん
    もしかして忘れたのだ?
    お城に侵入した時の報酬を
    まだもらっていないのだ



   桃
    あ、あれは成功報酬だと
    言っただろう



   満腹丸ちゃん
    よもや、あの失敗を
    まんぷくまるちゃんだけに
    押しつけるつもりですかな?

    せめて半額は払ってくれたって
    バチはあたらないのだ



   桃
    満腹丸が正論を吐くだと……?



   満腹丸ちゃん
    その貸しを、今返してもらうのだ!



   マナ
    あらあら
    先ほどの気迫はどこに行きました?



   桃
    猪名川!?



   マナ
    戦いを尊ぶといった桃さんの言葉
    心に染みました

    まさにヴァルキリーの鏡です!
    戦いなさい、満腹丸さんと共に!



   桃
    満腹丸に余計な知恵を
    吹き込んだのはお前か



   乱花
    つーかさ、これで私たちが
    勝ったら、越後屋はちゃんと
    話してくれるわけ?



   越後屋
    だってそうしないと
    お店を荒らすんでしょ……



   倫花
    じゃあ決まりだね
    桃ちゃん、満腹丸ちゃんと組んであげて



   桃
    り、倫花……!?



   満腹丸ちゃん
    ピーちゃん、ほれほれ
    こっちにいらっしゃいなのだ



   桃
    ヴァルキリーとして戦う以上
    手を抜くなんてできないぞ
    いいのか?



   倫花
    ちゃんと本気で戦わなきゃ
    満腹丸ちゃんへの借りを返した
    ことにならないよ



   マナ
    ですって
    倫花さんたちはやる気満々なようですけど
    桃さんはいかが?



   桃
    ちっ
    いたしかたあるまい



   乱花
    んじゃやろっか!
    ボコボコにしてやる!



   倫花
    はじめましょ、桃ちゃん



   桃
    どうしてこうなるんだ……




  14-A-後

   (苦戦した場合 ここから)

   倫花
    ふぅ……
    かっ……勝ったぁ……



   乱花
    さすがは九頭竜だね
    お姉ちゃんとじゃなかったら
    勝てたかどうか

    (独白開始)

    逆に言えば、九頭竜と満腹丸が
    相手だから、何とか勝てたんだ

    これが月影や四神が相手だったら……?
    私はお姉ちゃんを守れるんだろうか

    (独白終了)

   (苦戦した場合 ここまで)




   (余裕の場合 ここから)

   倫花
    桃ちゃん、もしかして
    手を抜いてくれた?



   桃
    バカにするな
    そんな器用なことはできないし
    するつもりもない

    姉妹で組むとこれほどの強さを
    発揮するとは……完敗だ

   (余裕の場合 ここまで)

    はぁはぁ……
    二人を守るつもりなら
    もっと強くならなくては

    大丈夫か、満腹丸?



   満腹丸ちゃん
    やったのだ!
    用心棒したから、ポイントが入ったのだ!

    ……でもやっぱり減額されてるのだ
    でもでも、ポイントはポイントなのだ!

    何か食べにいくのだ!
    じゃーねっ



   倫花
    ……大丈夫みたいね



   乱花
    あいつ、ホントに食べ物で
    ケガが治るんじゃないかな

    それじゃ、越後屋
    話を聞こうか



   越後屋
    これ以上はやめよ?
    踏み込んでもいいことないよ

    ゴウザンゼちゃんの中にいた
    女の子のことを気にしてるなら
    彼女は本当に安全なんだ



   倫花
    その辺のことを
    もっと詳しく聞きたいの



   乱花
    話したくないっていうなら
    ちょっと乱暴なことになるかもだけど



   ???
    乱暴とは、こういうことですか?



   倫花
    きゃああっっ!

    乱花ちゃん!
    みんな、大丈夫!?



   越後屋
    グンダリちゃん!!



   倫花
    グンダリ先生
    どうして……



   グンダリ
    どうして?

    越後屋さんを傷つけることは
    私が許しません

     ※ これは二人の関係の前振り



   倫花
    傷つけるつもりなんてありません
    ただ聞きたいことがあるだけで……



   グンダリ
    聞く必要はありません
    ただ、信じなさい

    ビクニはヴァルキリーに
    悪いことはしません

    この島はヴァルキリーのためにあるのですから

    ビクニを、理事長の言葉を
    ただ信じなさい

     ※ それを決めるべきは生徒達自身である。たとえその結果が間違ったものであったとしても。

       子供のままでいたいのならそれでもよいし、大人になりたいのなら自ら責任を負わなくてはならない



   マナ
    ああ……
    なんという神々しいお姿……



   グンダリ
    いいですね……
    また越後屋さんに手を出したり
    話を強要しようとした時は……

    この島から追放します

    いいですね
    島は、ヴァルキリーに悪い事はしません

    あなたたちの幸せのために
    理事長を信じなさい

    この島はあなたたちのためにあるのです



   乱花
    ……思いっきり釘を刺されたけど
    悪い感じはしなかったな

    お姉ちゃんはどう思う?



   倫花
    私は……

    信じたいけど、耐えられない……かな



   乱花
    耐えられないって?



   倫花
    うそをつかれているのに、耐えられない

    何でもない、大丈夫、気にしないでいい
    全部うそだった……

    私たちのためって言われても
    うそには耐えられないよ
    信じられない……

     ※ これは二人が両親によって、島に売られたのが事実で、
       乱花を傷つけない為に倫花はそのことを伝えなかったのだとも考えられる。
       (事実が分かるのは、島を出た後になるだろう)
       この辺りも、シナリオの変更があったのではないかと思われる




   マナ
    でしたら、その切っ掛けになった
    コンゴウ先生にもう一度
    お話を聞いてみてはどうですか?



   倫花
    できることなら会って聞きたいよ
    でも、どこに行ったら会えるのか……



   マナ
    コンゴウ先生なら、確かこの後
    修練場で定期戦のための準備をすると
    言っていました



   倫花
    ホント?
    ありがとう、マナちゃん!



   マナ
    いいえ、どういたしまして
    では失礼します



   倫花
    行こう、乱花ちゃん
    コンゴウ先生に話を聞きに!



   桃
    わ、私も一緒に……



   乱花
    ダメージ残ってるんでしょ?

    ケンカを売りに行く訳じゃ
    ないんだし、ゆっくり休んでてくれていいよ



   桃
    すまない
    すぐに後を追い掛ける



   乱花
    任せといて
    ささっと行って
    ちゃちゃっと聞いてくるよ




  14-B-前

   (修練場にて)

   倫花
    コンゴウ先生、いないね……



   乱花
    猪名川が教えてくれた場所って
    ここで間違いないよね



   倫花
    うん、ここのはずだけど
    先生はいないみたい



   乱花
    早かったのかな?

    ……うわっ!?
    な、何!?

    誰だ!!
    奇襲なんて、ずいぶんと
    セコい真似しやがって!



   マナ
    ずいぶんなお言葉ですわね
    奇襲は立派な戦術ですよ

    それでは満腹丸さん
    作戦の通りにお願いします
    勝ったらポイント倍増ですよ



   乱花
    もう満腹丸とドライヴしてるのか
    準備万端すぎるよ!



   倫花
    乱花ちゃん、私が戦う



   乱花
    ううん、今度は私が戦う番だよ
    お姉ちゃん、さっきの戦いでかなり消耗してるし

    それに、お姉ちゃんを背中から
    襲うようなヤツは絶対に許せない

    猪名川!
    根性を叩き直してやる!



   マナ
    ふん……
    それでは、行きますよ?




  14-B-後

   (苦戦した場合 ここから)

   乱花
    勝負は……ついた



   マナ
    しぶといですね
    ま、勝てるとも思っていませんでしたけど



   乱花
    勝つつもりがなかった?
    それってどういうつもり?

    (独白開始)

    お姉ちゃんを狙ったのか?
    島の秘密を探り始めたから?
    なら誰の差し金なのか……

    今回は勝てたけど……

    (独白終了)



   マナ
    ……うふふ

   (苦戦した場合 ここまで)



   (余裕の場合 ここから)

   乱花
    せっかく奇襲までかけて
    もらったのに悪かったね



   マナ
    …………



   乱花
    どうして私たちを襲ったの?
    話してもらおうか



   マナ
    フフッ
    あなたたち姉妹はいつも
    私の予想を上回りますね



   乱花
    この茶番は猪名川の判断なわけ?

   (余裕の場合 ここまで)




   マナ
    焦らないでください
    その内に判ります

     ※ 理事長が指示していた可能性がある。
       あるいは真実に近づけないことで、二人が追放されないようにと考えたか。
       やはり先の警備員へ桃と満腹丸を引き渡さなかったことが、そう思わせる



   乱花
    その内って、いつさ



   マナ
    その内は、その内です

    いずれ、この私が五期生の筆頭として
    あなたたちを導いてあげます



   乱花
    何言ってんの?
    筆頭は月影でしょ?



   マナ
    いつまでもそうとは
    限らないでしょう?



   乱花
    猪名川、その薄ら笑いをやめろ
    私を本当に怒らせたいの?



   マナ
    怖い怖い
    まだ、その時ではありませんわ

    ごきげんよう!



   乱花
    くっ!
    どこまでも卑怯なマネを!
    げほげほっ!

    待てっ……!



   ???
    ぎゃふっっ!!



   乱花
    わあ、何か柔らかいモノを踏んだ!



   満腹丸ちゃん
    らんちゃん、ひどいのだ
    危うく中からあんこがはみ出る
    ところだったのだ



   倫花
    満腹丸ちゃん
    そんなところに寝てたら危ないよ?



   満腹丸ちゃん
    ううん、はみ出るあんこも
    在庫切れなのです……

    何かおなかに入れなくては
    何かおなかに入れなくては

    あっ、らんちゃんとりんちゃんの
    おかげで、また用心棒代をもらえました

    ありがとうございますなのだ
    では、まんぷくまるちゃんは
    ビクニ漫遊グルメの旅に行ってきます



   倫花
    大丈夫かな、満腹丸ちゃん
    もうろうとしてたけど



   乱花
    いつもあんな感じじゃない?
    それよりも、やることがあるよ



   コンゴウ
    そこにいるのは乱花か



   乱花
    今度こそ聞かせて下さい
    この島の真実を



   コンゴウ
    知ってどうするのだ?



   乱花
    それは知ってから考えます



   コンゴウ
    では教えられぬ



   乱花
    どうして!!



   コンゴウ
    自分の力を磨け
    そして信じろ

    我が言えることはそれのみよ
    定期戦も近い、精進を怠るな

    我が師として言ってやれるのは
    それだけだ……



   乱花
    コンゴウ先生
    怒っちゃったのかな



   倫花
    先生は怒ってなかったよ
    哀しんでた……



   乱花
    とりあえず一度戻ろ?
    今日は色々ありすぎたよ



   倫花
    う、うん
    そうだね……



   ??? (越後屋)
    …………

    やっぱり、このままじゃダメだよね

    でも、どうしたら?
    これまで、どうしようもなかったのに

    あの子たちを信じても
    いいのかな……





 Drive15. 封印されし少女たち


  15-A-前

   倫花
    はぁ……
    このままでいいのかな……

    結局
    何もわからないまま
    定期戦になっちゃった

    なんだかすっきりしないな
    心の中がもやもやする

    このままじゃ中途半端な
    気持ちで定期戦に出ることになっちゃうよ



   乱花
    どうしたの?
    お姉ちゃん、疲れた?

    休憩しようか
    ノド乾いてない?
    飲み物取ってこようか



   倫花
    そうじゃないの
    ごめんなさい
    ちょっと考え事をしてて

    (独白開始)

    乱花ちゃんにも
    気を遣わせっぱなしで
    私、ダメなお姉ちゃんだな……

    (独白終了)



   乱花
    分かってるよ
    ビクニの真実の件でしょ

    でもしょうがないよ

    先生たちから、これ以上首を
    突っ込むな、ビクニを信じろって
    釘を刺されちゃったからね



   倫花
    先生にもう一度話を聞きたいと
    思って訪ねていったんだけど
    全然会えないの



   乱花
    何か話しづらいのか
    それとも隠そうとしているのか
    触れられたくないって感じ?



   倫花
    このままだと
    真実から遠ざかっちゃう……
    そんな気がして



   乱花
    私だって気になるよ
    でもさ

    話はきいてもらえない
    無理に調べれば追放される
    おまけに手がかりもない

    八方ふさがりってヤツだよ



   倫花
    そうだよね
    ごめん……



   乱花
    それよりも定期戦の
    ことを考えようよ



   倫花
    今回の定期戦は
    ダイイトク先生が監督するって言ってたね

    (独白開始)

    っていうことは
    最低でもダイイトク先生には
    会えるということだよね?

    (独白終了)



   乱花
    んじゃ、いっそのこと
    二人で全勝を目指そう!

    ダイイトク先生と直接対決
    できるかもしれないよ

    ダイイトク先生に勝てば
    何か教えてもらえるかも知れないでしょ



   越後屋
    そんなにうまくいくかなぁ?
    世の中、そんなに甘くないと
    えっちゃんは思うのよね



   倫花
    あ、えっちゃん!
    心配してたんだよ!



   乱花
    私たちが先生から、越後屋に手を
    出すなって言われたのを聞いて
    顔を出したんでしょ

    安心していいよ
    お店にはもう手を出さないから
    追放されたくないもんね



   越後屋
    あはは、あんまりイジめないでよ
    えっちゃんにも込み入った
    事情ってものがあるのさ



   乱花
    その込み入った越後屋が
    今日は何の用?



   越後屋
    まー、ご機嫌伺いってゆーか
    定期戦も近いし御用はないかってね



   倫花
    さっき世の中甘くないって
    言ってたけど、どういうことなの?



   越後屋
    キミたち、わかってるのかな
    定期戦で姉妹同士で戦う可能性があるってこと

    以前の定期戦みたいに
    一方的にパートナーを指定される
    試合になるかもよ



   倫花
    分かってるよ、えっちゃん
    乱花ちゃんとも話し合ったから



   乱花
    誰と組んでも、誰が相手でも
    全力で戦うって決めたんだ

    私かお姉ちゃんのどっちかが
    勝ち抜けば、それで真実に
    近づけるかもしれないって



   越後屋
    やっぱりあきらめてなかったんだね
    ビクニの真実を確かめること



   倫花
    ごめんね、えっちゃん

    でもね、それを抜きにしても
    本気じゃなきゃ勝てないと思うんだ

    小春ちゃんとヴァイオラちゃんは
    もちろん、桃ちゃんだって強敵だし



   乱花
    それに猪名川にも気をつけないと
    いつまた襲いかかってくるかわかんないし



   越後屋
    ねえねえ
    一人名前が出てなくない?
    それってかわいそくない?



   倫花
    満腹丸ちゃんでしょ?



   乱花
    あいつさ
    強いんだか弱いんだかさっぱり分かんないし

    食べ物で釣られれば
    誰とでもホイホイ組むし
    動きが全然読めないんだよ

    だからアイツのことを
    考えるのはやめたわけ



   越後屋
    なるほどねー
    ダークホースってわけか



   倫花
    とにかく私たちは
    せいいっぱい戦うだけ

    戦いを重ねたぶんだけ
    私たちは強くなれる

    強くなった分だけ
    ビクニの真実に近づけると思うんだ


   (訓練場近くにて)

   ヴァイオラ
    あの姉妹のポジティブさは厄介よね
    アホと紙一重だわ

    たぶん、自分たちがしている
    ことの意味をまるでわかってない

    小春の苦悩もわかるわ
    真実を知りたいという、あの子たちの
    気持ちは理解できる

    でも筆頭としては、ビクニの秩序と
    安寧を守らなくちゃならない



   小春
    悩んでなどいません
    この島はV-ウイルスの罹患者にとって
    唯一さした希望の光です

    誰であれビクニの存在を脅かす様であれば
    私は戦います



   ヴァイオラ
    それより少し顔色が悪いみたい
    大丈夫なの?



   小春
    少し疲れているのかも
    徹夜で調べ物をしていたので



   ヴァイオラ
    調べ物?



   小春
    この島の歴史を少し



   ヴァイオラ
    歴史ねぇ……

    といってもビクニは人工島でしょ
    大した歴史もなさそうだけど

    何か面白い昔話でも見つけた?



   小春
    あまり面白くはありませんでした



   ヴァイオラ
    じゃあなんでそんなモノを
    徹夜してまで調べてるの?



   小春
    さあ、何故でしょうね……

     ※ 真実を見極めている


   (訓練場にて)

   乱花
    そういえば九頭竜は?

    修行に付き合ってくれる約束だったのに



   倫花
    そう言えばそうだね
    桃ちゃんが約束に遅れるなんて珍しいかも

    えっちゃん
    桃ちゃんがどこにいるかわかる?



   越後屋
    人使いが荒くないかい?
    ま、このくらいはサービスするけどさ

    えーっと……?

    発見したよ
    拠点でのんびりやってる感じだねぇ



   乱花
    九頭竜のヤツ
    私との約束を忘れてるのかな?



   (拠点にて)

   桃
    頼む、満腹丸
    早くしてくれ



   満腹丸ちゃん
    腹三分目ってとこかなー
    もっとお腹いっぱいになったら動くのだ



   桃
    約束の時間を過ぎているんだ
    早く修練場に行かないと



   満腹丸ちゃん
    ピーちゃん、先に行ってていいのだ



   桃
    目を離したら、修練場に来ないつもりだろう



   満腹丸ちゃん
    するどい!
    3点あげます



   桃
    それに私が一人で行っても
    ドライヴの訓練にならないだろう?

    私は、あの二人の力になりたいんだ



   満腹丸ちゃん
    まんぷくまるちゃんは
    どちらかというと、あんまり味方したくないのだ



   桃
    味方したくないって……
    どうしてだ?



   満腹丸ちゃん
    まんぷくまるちゃんは、ビクニに
    いっさい不満がありません

    何にもしなくても
    色々と美味しいものを食べられます

    みんな優しいのだ
    ここはパラダイスなのだ

    りんちゃんとらんちゃんに
    恨みがあるわけじゃないのだ

    けど、先生たちに勝つことにも
    ビクニの史実にも興味がないと言いますかー

    それでおなかは膨れませんし?



   桃
    恨みがないとか言って
    猪名川と組んであの二人を
    襲ったそうじゃないか



   満腹丸ちゃん
    あの人はいい人なのだ
    何故なら用心棒代をくれるから
    いつもニコニコ明朗会計なのだ

    えっちゃんは、ちょっと値切りすぎ
    まんぷくまるちゃんは
    そんなにお安くないのだ



   桃
    ポイントさえ手に入れば
    事の善悪は関係なしか



   満腹丸ちゃん
    コトノゼンアク?
    それっておいしい?

    ってのは冗談でえ

    この島では戦うことが唯一の善なのだ
    誰と組もうと悪は無いのだ

    ピーちゃんが言うぜんあくって
    一体なに?



   桃
    ……

    倫花と乱花は私が知らなかった
    強さを教えてくれた

    あの二人には恩返しをしたい
    あの二人の戦いの行く末を見届けたい
    それが私にとっての善だ



   満腹丸ちゃん
    なら、その善に釣り合う対価を払うのだ



   桃
    分かっている
    ポイントが欲しいんだろう
    いくらだ?



   満腹丸ちゃん
    30万ポイント



   桃
    さっ30万!?
    それは高過ぎないか?



   満腹丸ちゃん
    んっふっふー
    まんぷくまるちゃんは
    やすい女じゃないのだ



   桃
    30万ポイント……か

   (訓練場にて)


    というわけで――

    すまんっ
    ポイントを貸してくれ!



   倫花
    満腹丸ちゃんへのポイントは
    私と乱花ちゃんで払うから気にしないで



   桃
    し、しかし……



   満腹丸ちゃん
    まんぷくまるちゃんとしては
    どっちでも構わないのだ?

    誰のお財布から出たポイントでも
    ごはんの味は変わりませんしー



   乱花
    いや断ろうよ
    普通に



   満腹丸ちゃん
    ふぁっ!?



   乱花
    30万ポイントも払えないし
    修行の相手は他を当たるよ



   満腹丸ちゃん
    あっ、いやっ
    それだと今日のごはんが……



   乱花
    わざわざ来てもらって悪かったね
    でも、もう帰っていいよ



   満腹丸ちゃん
    ……何ポイントなら払えるのだ?
    ちょっとくらいなら値引きしても



   乱花
    そうだなぁ
    300ポイントくらい?



   満腹丸ちゃん
    そ、それじゃライスしか
    食べられないのだ!



   乱花
    じゃあ生卵をつけるよ



   満腹丸ちゃん
    それならいいのだ!
    TKGはおいしいですし!



   乱花
    決まりだね

    お姉ちゃーん
    300ポイントと生卵で話をつけたよ



   倫花
    そのくらいなら払えるね
    よろしく、満腹丸ちゃん



   満腹丸ちゃん
    TKGのためにがんばります!



   桃
    …………



   乱花
    どうしたの? 九頭竜
    ほら、訓練を始めようよ



   桃
    あ、ああ



   倫花
    みんなで全勝目指して
    がんばろー!

    (独白開始)

    そして瞬く間に時間は過ぎ
    定期戦の日がやってきたのでした……

    (独白終了)



   (夜の街にて)

   ダイイトク
    お待ちかねの定期戦だ!
    ガキとも、極限まで鍛えてきただろうなァ?



   ヴァイオラ
    愚問だわ



   マナ
    フフッ
    楽しみです



   小春
    …………



   ダイイトク
    ヴァルキリーは常に強くあれ!
    それが全ての幸福に繋がることを
    忘れるんじゃねぇぞ



   満腹丸ちゃん
    勝てばお腹いっぱい食べれるのだ
    ポイントいっぱいで、幸せになれるのだ



   ダイイトク
    戦え、ヴァルキリーよ!
    全ての戦いを勝ち抜けば
    オレと戦うチャンスをやろう

    より強く!
    より高く!
    より先へと進め!



   倫花
    絶対に負けられない……
    真実に近づくためにも!



   乱花
    修行の成果を見せてやる!



   桃
    この日のために万全を期した
    負ける要素はない



   ダイイトク
    んじゃあ、宴を始めるぜ!
    ショウタイムだ!



   乱花
    一回戦の組み合わせが
    発表になったよ!

    なんと!
    最初に私と組むのはお姉ちゃんです!



   倫花
    それなら何の問題もないね
    気になるのは対戦相手だけど



   ヴァイオラ
    気の毒ね
    一回戦で私と当たるなんて

    あんなに訓練していたのに
    早々に脱落してしまうなんて
    かわいそう

    そう思わない?



   桃
    神楽坂姉妹を侮るなよ
    この二人が組んだ時の強さは
    知っているだろう



   乱花
    ヴァイオラと九頭竜……
    相手に不足はないね



   桃
    全力で行かせてもらう

    私は強くなりたい
    今いる場所より先へ進みたい

    そのためにも
    ダイイトク先生への挑戦権は譲れない



   倫花
    私たちだって負けないよ
    正々堂々戦おう!



   ヴァイオラ
    楽しみにしているわ
    じゃ、試合でね



   ダイイトク
    さあさあ!
    準備はできてるだろうな?

    では定期戦、第一試合
    尋常に開始しろィ!




  15-A-後

   ヴァイオラ
    な、なんですって?
    こんな、ありえない……

    私は本気で戦った!
    なのに、どうして!?



   倫花
    ごめんね、ヴァイオラちゃん
    どうしても譲れない戦いなの



   ヴァイオラ
    姉妹と言うだけで、あそこまで
    シンクロできるというの?

    違うわね

    ここを追い出されるかも知れない
    リスクを背負って尚、真実に手を
    伸ばそうとした覚悟の差か……



   マナ
    桃さん
    あなた、まさか手を抜いた
    なんてことはありませんよね?



   桃
    手を抜いたかどうかくらい
    見ていてわからなかったのか?

    第一、ダイイトク先生が
    そんな不正は見逃さないだろう



   マナ
    それは……
    そうですけれど



   桃
    ならば、あの二人の勝ちに
    文句はあるまい



   マナ
    勝ち負けに文句を言うつもりはありません



   桃
    なに?
    どういうことだ?



   マナ
    あなたが手を抜いたのではないのなら
    それでいいんです

    それでは……

     ※ 自分に向けられることはなかった桃の優しさに、心を痛めている




  15-B-前

   越後屋
    一回戦突破おめっとさん!
    倫花ちゃん、乱花ちゃん!
    すごい試合だったねぇ



   倫花
    ありがと、えっちゃん
    えっちゃんの応援のお陰だよ



   越後屋
    ねえ二人とも
    聞いていい?



   乱花
    改まって何?



   えっちゃん
    あのさ、強くなるのって怖くない?
    誰かを傷つけちゃうかもって思わない?



   倫花
    怖くないよ

    私が強くなりたいのは
    誰かを傷つけるためじゃないもの

    この力は大切なものを
    守るための力だよ
    だから怖くなんかない



   越後屋
    大切なものって?



   倫花
    そうだなぁ
    友達とか、自分の信念とか、幸せとか
    そこは人それぞれなんじゃない?



   乱花
    そーゆーこと
    お姉ちゃんを傷つけようとするヤツは
    全員私がぶっ飛ばす!



   越後屋
    そっか
    聞かせてくれてありがと

    大切な人を守るための力……



   小春
    越後屋さん
    何か気がかりでもあるのですか?



   越後屋
    何でもないよー?

    なんて言えたら楽なんだけどね
    あははは



   小春
    あなたには、あなたが担ってきた
    役割があるはずです

     ※ 小春はビクニの歴史を調べ上げ、真実へと至った



   越後屋
    それが本当に正しいことなのか
    えっちゃんは確信が持てなくなって
    きちゃったのさ

    あの二人を見ていたらね



   小春
    …………

    ところで越後屋さん
    ダイイトク先生がどこにいるか
    知りませんか?



   越後屋
    すぐに二回戦が始まるから
    ここへ来ると思うけど~

    あ、きたきた

    おーい、ダイイトクちゃ~ん
    小春ちゃんがお話したいって~



   ダイイトク
    おう、小春じゃねぇか
    一回戦は快勝だったようだな



   小春
    先生のご指導のお陰です

    ところで、一つお伺いしたい事があるのですが



   ダイイトク
    優等生のお前が質問とは珍しいな
    答えられるいことだったらいいぜ?



   小春
    理事長の居場所を教えて下さい



   ダイイトク
    あん?



   小春
    もう一度お伺いします
    理事長は今どこにいらっしゃいますか?



   ダイイトク
    …………



   小春
    どうしましたか?
    ダイイトク先生



   ダイイトク
    やれやれだぜ……



   小春
    質問の答えになっていません



   ダイイトク
    残念ながら時間切れだ
    その質問には答えねえ!

    二回戦をはじめるぜ、準備しな

    次の相棒は、神楽坂の姉の方だ
    さっさと行ってやれ



   小春
    ではダイイトク先生に勝てば
    教えてくれますか?



   ダイイトク
    しつこい!

    その質問には
    勝負で負けようが殺されようが
    オレは答えるわけにはいかねえ

    分かったらさっさと行け



   小春
    ……失礼します



   ダイイトク
    どいつもこいつも
    何も分かっちゃいねえ

    オレたちは戦い続けるしかねぇんだよ……



   倫花
    小春ちゃん!



   小春
    ごめんなさい
    お待たせしました



   倫花
    あ、あの
    ふつつかものですが
    よろしくお願いします



   小春
    ふふっ
    こちらこそよろしくお願いします
    一緒にがんばりましょう



   倫花
    相手のペアは
    乱花ちゃんとマナちゃんだよ
    気を引き締めていこう



   小春
    わかりました



   ダイイトク
    これより第二回戦を始める!
    開始位置につけ!



   倫花
    よーし
    勝ってダイイトク先生への
    挑戦権を手に入れるぞ!



   ダイイトク
    それでは試合開始!!




  15-B-後

   マナ
    さすがに強い……

    月影さんはともかく、あの倫花さんが
    これほど成長するとは思っていませんでした



   小春
    そうですか?
    私は、私に最初に追いつくのは
    倫花さんだと思っていました

    最初に会った、あの日から



   マナ
    ……後学のために
    理由をお聞かせ願えますか



   小春
    ヴァルキリードライヴの本質は
    パートナー同士の絆と連帯が
    重要なファクターとなります

    真っ直ぐで素直な心と
    何事にも揺るがない強い信念
    人を包む母性……そして優しさ

    それらが倫花さんの強さの源です

    ヴァルキリードライヴにおいて
    倫花さんほど適正のある人材は
    いないとは思いませんか?



   マナ
    確かに月影さんの言う通りかも知れません

    ですが、それでは困るんです
    月影さんだって分かっているはず

     ※ 島の秩序という観点からは、倫花の資質は逆に作用する



   小春
    …………



   マナ
    今日のところは負けを認めます
    ですが、最後に笑うのは私です




  15-C-前

   乱花
    ぷはっ……
    やっぱり二人には勝てなかったか

    全勝おめでとう
    ダイイトク先生への挑戦権は
    お姉ちゃんと月影のものだね



   倫花
    ありがとう乱花ちゃん!
    小春ちゃんとならいい戦いができそう



   小春
    そのことなんだけど……

    ごめんなさい
    ダイイトク先生への挑戦権は放棄します



   倫花
    えっ?
    なんで?
    突然どうしたの?



   ヴァイオラ
    やっと決心が付いたのね



   小春
    はい
    手伝ってもらえますか?

     ※ グンダリへと挑むこと



   ヴァイオラ
    お願いなんて必要ない

    あなたが一緒に来いとさえ言えば
    私はどこまでもついていくわ



   小春
    ありがとう、ヴァイオラさん

    一緒に来て下さい
    あなたの力が必要です



   ヴァイオラ
    オッケー、喜んで
    行き先は地獄かしら?



   倫花
    あのあのっ
    話が見えないんだけど……



   ヴァイオラ
    小春が権利を放棄したから
    全勝は倫花だけ

    次点だと一敗の私か乱花が
    繰り上げになるのか



   乱花
    どうやって決める?



   ヴァイオラ
    乱花、あなたが倫花と組んで
    ダイイトク先生へ挑みなさい



   乱花
    えっ、いいの?



   ヴァイオラ
    聞いてたでしょう
    大事な用事が出来たの

    せっかく譲るんだから
    負けたら許さないわよ



   乱花
    わかった
    ガッカリさせないようにがんばる



   小春
    では失礼します
    がんばってください
    倫花さん、乱花さん

    では



   ヴァイオラ
    あとでたっぷり話を聞かせなさいよ
    じゃあね



   乱花
    色々あったけど――

    お姉ちゃんと一緒に
    ダイイトク先生に挑戦できるなんて夢みたい!



   倫花
    夢じゃないよ
    二人に感謝しなくちゃね



   乱花
    いこう
    ダイイトク先生のところに



   倫花
    うんっ



   (工場区画にて)

   ダイイトク
    待っていたぜ!

    ……ああ?
    小春はどうした?



   乱花
    月影は先生への挑戦権を放棄しました
    だから私がお姉ちゃんのパートナーをやります



   ダイイトク
    嫌われたもんだな
    ま、あんなことを言っちまったんだ
    仕方ねぇか



   倫花
    小春ちゃんとケンカしたんですか?



   ダイイトク
    ま、そんなもんだ……

    ぐずぐず言っててても仕方ねえ
    エキシビジョンマッチを始めるとしよう



   倫花・乱花
    よろしくお願いします
    先生!



   ダイイトク
    お前たちの器を計らせてもらう
    かかってこい!!




  15-C-後

   乱花
    お、お姉ちゃん!
    これ!!



   倫花
    また、女のコが落ちてきた!
    それも今度はたくさん!



   乱花
    なにこれ……
    どうなってるの?



   倫花
    ねえ、あなた
    大丈夫?



   女の子
    …………



   倫花
    どこもケガをしてるようには
    見えないけど……



   乱花
    眠ってるように見えるね



   倫花
    でも、話し掛けても
    肩を揺らしても全然起きないよ



   ダイイトク
    グルルルル……

    なんという強さ
    なんという純粋さ……
    なんという、なんという……



   倫花
    先生……



   理事長
    工場区画をすぐに封鎖しなさい!!
    隔壁を全ておろして!



   倫花
    理事長先生!!



   理事長
    医療班は全員出動!
    メンテナンス中のロボットも
    全て起動しなさい!

    それと搬出ルートの選定と
    一般生徒の誘導を!
    なるべく人目に付かない様に!



   倫花
    あの、理事長先生



   理事長
    話ならあとにしてちょうだい
    この子たちを収容しなくては



   倫花
    あのっ



   理事長
    今は忙しいのよ!



   倫花
    私たちも手伝います!
    どうすればいいですか?



   理事長
    ……すぐに医療ロボットがくるわ
    この子たちをストレッチャーに
    乗せるのを手伝って



   倫花
    わかりました
    乱花ちゃん、ドライヴを解くよ!



   乱花
    わかった!
    全員助けよう!



   ダイイトク
    すまなかったな……
    おかげで全員無事に収容できたそうだ



   倫花
    ダイイトク先生、あの……



   ダイイトク
    ひとつだけ!



   乱花
    ひゃっ!!



   ダイイトク
    何でも一つ
    お前たちの言うことを聞こう
    オレは敗者だからな……

    逃げも隠れもしねえ
    ごまかしもなしだ

    それが四神としての
    いやヴァルキリーとしての
    オレの最後の矜持だ

    さあ、何でも言え



   倫花
    あの、乱花ちゃんと
    相談していいですか?



   ダイイトク
    よかろうよ
    好きにしろ



   乱花
    相談ってなによ
    アレのことを教えてもらうんでしょ?



   倫花
    でも、それでいいのかなって
    なんだか先生の弱みにつけ込むみたいでしょ

    先生たちが、あんなに必死に
    隠そうとしていたことなのに

     ※ 倫花は強要することをよしとしない



   乱花
    今を逃したら、また真実から
    遠ざかっちゃうよ?



   倫花
    そうなんだけど……



   乱花
    先生の中から出てきた
    女の子たちが誰なのか

    どうして先生の中に女の子が
    入っているのか

    私たちに何を隠そうとしたのか

    分かんないことだらけだよ
    私はハッキリ聞くべきだと思う

    その上で、何をどう聞くかは
    お姉ちゃんに任せるよ



   倫花
    ……うん

    先生!



   ダイイトク
    決まったか?
    オレは何をすればいい?
    何を聞きたい?



   倫花
    じゃあ先生にお願いします



   ダイイトク
    …………



   倫花
    小春ちゃんと仲良くして下さい



   ダイイトク
    ……ああ?
    なんだと?



   倫花
    先生、小春ちゃんと
    ケンカしたんでしょう?

    だから小春ちゃんは
    挑戦権を放棄したって



   ダイイトク
    そうだ



   倫花
    先生が悪いならちゃんと謝って
    そうじゃないなら小春ちゃんの
    話を聞いてあげてください

    そして仲直りできたら
    小春ちゃんと戦ってあげて欲しいんです



   ダイイトク
    願いはそれでいいのか?
    小春と仲直りしろと?



   倫花
    はい!
    それでいいよね?
    乱花ちゃん



   乱花
    うん



   ダイイトク
    お前たち……
    わかった、小春とはきちんと話す
    対戦も受け入れよう



   倫花
    ありがとう、先生!



   ダイイトク
    オレはこれから城へ行く
    たぶんお前たちとは、しばらく会えん



   倫花
    え、どうして……?



   ダイイトク
    このまま顔を付き合わせていたら
    きっとオレは余計なことを喋っちまう
    だがそれは――



   理事長
    ダイイトク先生
    中央区画へ戻りなさい

    あなたもケガをしています
    治療しなくてはね



   ダイイトク
    なあ、オレは……



   理事長
    ダイイトクさん
    お願いよ、早く治療を



   ダイイトク
    ……わかった
    わかっている

    お前たち、精進は怠るなよ
    次に会えるのがいつになるか
    わからんが、楽しみにしておく

    では、然らば!!



   理事長
    これだけは覚えておいて

    ビクニはV-ウイルス感染者のために
    作られた場所よ



   倫花
    それは……わかってます



   理事長
    わたしたちはヴァルキリーのためを
    思いこそすれ、騙したり利用しようなどとは
    考えていません

    むしろ、そういう勢力から
    ヴァルキリーを守るために働いているの

    ヴァルキリーは全員
    運命共同体なのよ

    ビクニを信じなさい

    わたしに言えるのは
    それだけだわ

     ※ 完治した者はいないこと、有無をいわさずに取り込んだことは
       騙したことになるだろう。 誹りを受ける覚悟はあったらしいが
     ※ “ビクニを信じなさい”とはグンダリも口にしていた。これは同一人物である伏線





   倫花
    先生たちは、みんな
    同じことを言うよね

    ビクニを信じろって

    でも、どんどん
    不安が募っていく……
    言葉だけじゃ信じられないよ



   乱花
    ねえ、お姉ちゃん
    ゆっくり考えよう

    すぐに結論を出さなくちゃ
    ならないわけじゃないんだし



   倫花
    うん、そうだね



   越後屋
    まいど



   乱花
    なんだ、越後屋か
    私たち、疲れ果ててるんだ
    用なら明日に――



   越後屋
    あのね
    ダイイトクちゃんのこと
    ありがとね



   倫花
    うん、でもどうして
    えっちゃんがお礼を言うの?



   越後屋
    それも含めて
    話したいと思ったのさ

    教えてあげる
    この島の本当の姿を……

     ※ 倫花がダイイトクに強要しなかったのも、越後屋の胸に響くものがあったのだろう





 Drive16. 告白―明かされる真実


  16-A-前

   越後屋
    教えてあげる
    この島の本当の姿を……



   倫花
    ビクニの本当の姿?



   越後屋
    場所をうつそうか
    長い話しになるよ

    それからVRクラスの子を集めてよ
    キミたちは全員、この話しを聞く権利が
    あると思うから



   乱花
    うん、わかった

   (拠点にて)

    月影とヴァイオラには
    連絡が付かなかったよ



   倫花
    そう言えば定期戦のあと
    何か用事があるって言ってたよね



   乱花
    帰ってくるのを待ったほうがいいかな



   越後屋
    あの二人は大丈夫
    大丈夫ってゆーか、小春ちゃんは
    たぶんこの島の本当の姿に気付いている



   乱花
    え、そうだったの?



   越後屋
    大したコだよ
    たった一人でそこまで辿り着いたんだから

     ※ 徹夜していたのは、筆頭の義務をこなしながらだったのだろう



   桃
    満腹丸はどうした?



   乱花
    あっちの床で寝てるよ
    話が終わったら三行にまとめてくれーだって



   越後屋
    あはは……
    三行はちょ~っとむつかしいかなぁ



   桃
    あいつが起きるのを待っていたら
    それこそいつなるか分からん
    あとで私から説明する

    で、この島の本当の姿とは、何だ?



   マナ
    何やら興味深そうなお話ですね
    混ぜてもらっても?



   乱花
    猪名川!
    お前は呼んでないだろ!



   越後屋
    まあまあ
    彼女もVRクラスの生徒っしょ



   マナ
    では、混ぜて頂いても?



   越後屋
    もちろんさ
    ただ、その前に最終確認させて

    話すとは言ったけど
    本当に話していいの?

    知らない方が幸せなこともあるよ

    いや、知らない方がいい
    だから、えっちゃんたちはずっと隠してきた

    話さなくちゃと思いながら
    心のどこかで話したくない
    自分がいるのも確かなの

    それでも聞きたい?



   倫花
    私は知りたい

    ここで真実から目を逸らして
    なのに誰かを疑いながら暮らせないよ



   乱花
    私もお姉ちゃんと同意見



   桃
    今さらもったいぶるな
    さっさと話せ



   越後屋
    ……わかった



   マナ
    あら、私には聞いて下さらないんですか?



   越後屋
    だってキミは――
    まあいいや
    えっちゃんの話を聞くかい?

     ※ 既に真実を知っているマナ



   マナ
    ええ、是非



   越後屋
    よく、覚悟して聞いてね

    まず今まで四神の中から
    出てきた女の子たち……

    あれはみんなの思っている通り
    今までこの島を卒業していった
    生徒たちだよ



   倫花
    やっぱり先輩だったんだ!



   乱花
    お姉ちゃんの推測は当たってたんだね



   桃
    だが何故、卒業生が
    四神の中にいるんだ?



   マナ
    卒業ということは、つまり
    病気が完治したということでは
    ないんですか?

    であれば、もはやこの島に
    留まる必要はないと思うんですが



   倫花
    そうだよ
    どうしてみんなを家に帰してあげないの?



   乱花
    わざわざ四神の中に
    入ってる理由はなに?



   越後屋
    この島で卒業ってのは
    四神の中に取り込まれることを意味するんだ



   乱花
    ――は?



   倫花
    そんな……



   桃
    なんだと?



   越後屋
    そうすることで彼女たちは
    永遠の時を生きることになる……



   桃
    永遠の時だって?



   越後屋
    そうさ、それがこの島にきた
    ヴァルキリーの運命なんだ



   倫花
    え、えっと……?



   乱花
    また一気に話が飛んだな~
    永遠の時って、マンガとか
    SF小説じゃないんだからさ



   マナ
    …………



   乱花
    お姉ちゃんも、あの女の子たちは
    ヴァルキリーだって言ってたけど
    証拠がある訳じゃないしなあ



   越後屋
    おや、倫花ちゃんは気付いていたの?
    あの子たちが、みんなヴァルキリーだってこと



   倫花
    うん
    私たちと同じ目をしてたから



   越後屋
    さすがだね
    やはり倫花ちゃんには飛び抜けた資質がある



   倫花
    や、やだな
    そんなに褒めないでよ
    ちょっと嬉しいけど



   越後屋
    キミたちは、四神の体の中から
    女の子が出てくる瞬間を見ているんだろう?



   乱花
    見たよ
    いまだに信じられないけど



   越後屋
    じゃあ証明は簡単じゃないか
    彼女達はヴァルキリーでしかありえない



   乱花
    何でそうなるの?



   越後屋
    四神の構成パーツに変化していた女の子が
    装甲が破壊されることによって元の姿に
    戻った――って言い方をすればわかるかい?

    キミたちは、とても似ている現象を
    知っているよね



   倫花
    まさか……ドライヴ?



   越後屋
    ご名答
    卒業生たちは四神とドライヴすることで
    体内に取り込まれていた

    戦闘中に四神がダメ―ジを負って
    ドライヴが解けた瞬間を目撃したんだね

    ヴァルキリーでなければ
    四神の内部へは取り込めない

    以上が、四神の中から女の子が
    出てきたっていう現象に対する説明と
    そいから――

    その女の子たちがビクニ卒業生である
    ヴァルキリーだってことの説明だねぇ



   桃
    ……あの、すごく些末な疑問なんだが



   越後屋
    あいよ



   桃
    四神は24時間ずっと
    ドライヴし続けているのか?
    寝ている間も?



   越後屋
    そだね



   桃
    信じられない……!



   越後屋
    彼女たちは、それが出来るように
    文字通り血の滲む様な努力をしたし
    必要なら調整も受け入れた



   乱花
    調整ってなに?



   越後屋
    薬物療法から始まって、生体移植
    サイバネ手術、骨格の置換と拡張
    遺伝子改造――要するに何でも



   倫花
    そ、そんな……



   越後屋
    ああいう生き物が
    自然発生するとでも思うのかい?

    全ては完璧な設計と
    突出したヴァルキリーとしての才能
    そして本人の覚悟の産物だ



   マナ
    ……素晴らしい



   乱花
    猪名川?



   マナ
    いいえ、何も



   桃
    何のためにそんなことをする?
    理由があるはずだろう



   越後屋
    それは……



   倫花
    教えて、お願い
    えっちゃん!



   越後屋
    んんん……

    やっぱり言えない



   桃
    貴様、死にたいのか!



   越後屋
    えっちゃんが話してもいい
    でもきっと、キミたちの心にきちんと伝わらない

    きっとキミたちの心は
    真実に耐えきれない……

    えっちゃんが話せるのは
    この島の真実の、ほんの一部だけ
    ここまでだよ

    えっちゃんには覚悟が足りなかった
    だからえっちゃんには、これ以上を
    語る資格がない



   乱花
    越後屋……



   越後屋
    でも、もし
    もしもだよ

    キミたちにえっちゃん以上の覚悟が
    あるっていうなら、理事長ちゃんを
    訪ねるといい



   倫花
    理事長先生?



   桃
    理事長が黒幕と言うことか



   越後屋
    先に言っておくよ
    理事長ちゃんの話を聞いても
    キミたちは絶対に納得しない

    そして理事長ちゃんは
    キミたちの話に耳を貸さない

    交渉にすらならないよ
    そしてキミたちはビクニ
    全てを敵に回すことになる



   倫花
    ビクニ全てを敵に……?



   越後屋
    その覚悟がないのなら
    今の話は全て忘れて



   桃
    いくらなんでも
    それは無責任じゃないのか?



   越後屋
    えっちゃんは最初に訊いたよ
    知らない方がいい
    それでも聞くのかって



   倫花
    えっちゃんの言う通りだよ
    無理に聞き出したのは私たちの方だもん



   桃
    そうだったな
    ……すまん



   倫花
    話してくれて
    ありがとう、えっちゃん



   越後屋
    キミたちがどんな選択をしても
    その結果ビクニがどんなことになっても
    お店だけは開けておくね



   マナ
    大変興味深いお話でしたね
    ビクニにそんな秘密が隠されていたとは
    驚きました

     ※ 若干棒読みなあたり、マナはやはり知っていたという事が察せられる


    で、みなさん、これから
    どうするんです?



   倫花
    決まってるでしょ
    理事長先生のところへ行って
    詳しい話を聞くの



   乱花
    …………



   桃
    …………



   倫花
    あれれ?
    みんな、どうしたの?
    私、おかしなこと言った?



   マナ
    わかっていないみたいですね

    理事長先生を怒らせるつもりですか?



   倫花
    私は本当のことを知りたいだけで
    そんなつもりは――



   マナ
    恐らく、そのビクニの真実と
    いうのは、触れることすら許されない
    この島のタブーなのでしょう

    理事長先生に真実を尋ねること
    そのものが敵対行動なんです

    理事長先生を訪ねるだけで、最悪
    この島から追放されてしまうような事態に
    なるかもしれないんですよ



   乱花
    お姉ちゃん、あのさ



   倫花
    乱花ちゃん?
    どうしたの?



   乱花
    今日のところはもう引き上げようよ

    勢いだけで踏み込んで
    この島全体を敵に回すなんてバカげてる

    真実が大事だってのは理解できるよ
    でも私にとってはここでの生活も大事なんだ

    月影とヴァイオラが戻ってからでも
    遅くないと思うな



   倫花
    小春ちゃんは巻き込めないよ
    私が真実を知りたいだけだもの

    もちろん、乱花ちゃんや
    桃ちゃんを巻き込む気もない

    私一人で理事長先生のところへ行ってくるね



   乱花
    お姉ちゃん!!



   倫花
    どうしても本当のことが知りたいの
    たとえそれがどんな真実だとしても

    でなきゃ何か
    とても大切なものを失っちゃう……

    そんな気がするから

     ※ これも、乱花が両親へと抱く疑念を、
       倫花も持っているのではないかと思わせたが、それは語られなかった




   乱花
    お姉ちゃん……



   マナ
    わかりました
    でしたら私はここで失礼させて頂きます

    私にも思うところがありますので



   倫花
    あ、マナちゃん
    行っちゃった……



   桃
    倫花、理事長室へは私が同行しよう



   倫花
    えっ、本当に?



   桃
    ああ
    倫花ひとりで行かせるのは心配だからな



   倫花
    え~、大丈夫だけどなあ

    でも、桃ちゃんが
    一緒に来てくれるなら心強いよ
    ありがとう、なでなでしちゃう



   桃
    あ、頭を撫でるな



   乱花
    だったら私も一緒に行くよ!



   桃
    ダメだ



   乱花
    な、なんで!



   桃
    正直、どんな展開になるか
    まったく予想が付かない
    戦力は分散させておいた方がいい



   乱花
    けど



   桃
    それと、越後屋の話を
    誰かに伝える必要がある



   乱花
    月影とヴァイオラのこと?



   桃
    満腹丸にもだ



   乱花
    えっ?
    私があいつに伝えるの?



   桃
    越後屋の話を三行にまとめてな



   乱花
    自信ないなぁ……



   倫花
    お留守番も大事な仕事だよ
    お願い、乱花ちゃん



   桃
    倫花のことは私に任せろ
    絶対に守ってみせる



   乱花
    ……わかったよ
    ただ、あんまり無茶しないでね



   倫花
    うん、わかってるよ

    それじゃ、よろしくね桃ちゃん



   桃
    ああ



   (学園前にて)

   マナ
    あきれた
    本当に来たんですね
    倫花さん

    お供は桃さんだけ?



   桃
    猪名川……



   倫花
    あれ? マナちゃん
    どうしてここに?



   満腹丸ちゃん
    まんぷくまるちゃんもいるのだ!



   倫花
    あれっ、満腹丸ちゃん
    食堂の床で寝てたはずじゃ



   満腹丸ちゃん
    ごはんの匂いあるところ
    まんぷくまるちゃんはいつでも現れるのだ



   桃
    また買収されたのか、貴様は



   マナ
    私たちがここにいる理由は簡単です

    倫花さん、あなたを
    理事長先生のところに
    行かせるわけにはいきません



   倫花
    ええっ、なんで?



   マナ
    そんなこと決まっているでしょう

    あなたの勝手な行動で
    この島の完璧なシステムを
    乱される訳にはいかないのです

    皆をまとめる副筆頭として
    そのようなことを見過ごせるわけが
    ないでしょう?



   桃
    ふん、この期に及んで
    優等生気取りか

    事態を理解しているのか?



   マナ
    理解していないのは
    あなたたちの方だとは考えないんですね



   倫花
    誰にも迷惑なんてかけるつもりはないよ
    だから、そこを通して?



   マナ
    ほら、わかっていない

    どうしてもここを通りたいというのなら
    私たちを倒していくのですね



   倫花
    うう、そういわれても、困ったなぁ



   桃
    困る必要などあるまい

    向こうがああ言っているんだ
    遠慮なく通させてもらおう



   倫花
    マナちゃん
    こんなことやめよう
    私たちは仲間でしょ?



   マナ
    こっちのセリフでしょう
    こんなことはおやめなさい



   桃
    向こうはどうあっても
    最初からやる気なんだ

    お前を潰しに来てるんだぞ
    言葉など交わしても埒があかない

    それに猪名川の言う通りだ
    真実を知りたいというのは
    お前自身のわがままに過ぎない



   倫花
    ……うん



   桃
    ワガママを通そうというなら
    腹を括れ、倫花

    私はお前のワガママに
    最後まで付き合ってやる



   倫花
    桃ちゃん……!



   桃
    行くぞ、倫花
    ドライヴして一気に
    理事長室まで駆け抜ける!



   倫花
    わかった!




  16-A-後

   (屋内訓練場にて)

   (苦戦した場合 ここから)


   桃
    楽に勝てるかと思っていたが厄介なやつだ



   マナ
    私だって伊達や酔狂で
    戦いを挑んでいる訳では
    ないんです……!



   桃
    それでも私と倫花の思いが
    わずかに上回った
    それだけのことだ

   (苦戦した場合 ここまで)



   (余裕の場合 ここから)

   桃
    ふん
    懲りない女だ

    その程度のドライヴでは
    百回やっても私たちには勝てないぞ



   マナ
    それでも、私は……くうっ

     ※ 理事長の指示もあるが、桃達が追放されないように道を遮ろうとした?
       その根拠は、以前警備員に引き渡さなかったという例が挙げられる


   (余裕の場合 ここまで)



   桃
    約束通り、ここは通してもらうぞ



   満腹丸ちゃん
    ま、まんぷくまるちゃんは
    ビクニがなくなると困るのだ……



   倫花
    そんなことにならない様に
    理事長先生とお話に来たんだよ



   満腹丸ちゃん
    ホントなのだ?



   倫花
    うん、本当だよ



   満腹丸ちゃん
    わかったのだ
    どうぞお通り下さいなのだ



   倫花
    この奥が理事長室なんだね

    行こう、桃ちゃん



   桃
    ああ




  16-B-前

   (学園廊下にて)

   倫花
    この扉の向こうに
    理事長先生がいるんだよね



   桃
    ああ、そのはずだ



   倫花
    うぅ、緊張するなあ……
    すー、はー、すー、はー
    よし!

    あの理事長先生
    神楽坂倫花です
    失礼します



   倫花
    あれ?
    理事長先生?



   桃
    なんだ?
    空っぽの部屋?



   倫花
    理事長先生、留守なのかな



   桃
    しかしあの女は理事長室から
    一歩も出ないのが売りなんだろう?

    人がいた形跡すらない
    電灯すらないじゃないか



   倫花
    床にうっすら埃が積もってる……



   桃
    ここが理事長室だと?
    どういうことなんだ……?



   マナ
    あーあ
    知ってしまいましたね

    素直に負けていれば良かったのに



   倫花
    これはどういうことなの?



   マナ
    あなたがたの幼稚なワガママで
    お忙しい理事長先生を煩わせたく
    なかっただけ



   倫花
    じゃあ理事長先生はどこにいるの?



   マナ
    バカじゃないの?
    教える訳がないでしょう



   桃
    何故私たちの邪魔をする

     ※ もし純粋に邪魔をしたいだけなら、前に警備員に引き渡していたはずだろう



   マナ
    実は理事長先生にこう言われたんです

    この島を守るために
    協力しなさい、と……

    そして五期生で最強になった暁には
    私を五体目の神にしてくださると

    そう、月影さんではなく
    この私を!

    そうしたら私は……
    ふふ、ふふふふ!
    あはははははは!



   倫花
    五体目の……神?



   マナ
    それでは失礼します
    私もヒマではないので



   桃
    待て、猪名川!
    まだ話は終わっていない!

    逃げられたか……

    倫花
    これからどうする?



   倫花
    一度、拠点へ戻ろう
    乱花ちゃんも心配してると思うし
    小春ちゃんたちが戻ってるかも



   桃
    わかった



   (エリート区画にて)

   倫花
    誰もいないね
    なんでだろう



   桃
    何かいやな雰囲気だ……
    さっさと通り過ぎてしまおう



   ヴァイオラ
    ごきげんよう
    何をしているのかしら



   倫花
    ヴァイオラちゃん?
    じゃあ――



   小春
    お二人とも、こんにちは



   桃
    月影も一緒か
    ちょうどよかった
    話したいことがある



   ヴァイオラ
    ごめんなさいね
    こっちは話したいことなんてないの



   倫花
    ヴァイオラちゃん……?



   ヴァイオラ
    理事長から連絡があったのよ

    あなたたちがこの島の
    平和を壊そうとしているから
    止めなさいってね



   倫花
    ええっ!?
    私たち、そんなことしないよ
    ねえ、桃ちゃん



   ヴァイオラ
    では理事長が
    嘘を言っていると?

    悪いけど
    あなたたちと理事長なら
    理事長を信じるわ



   桃
    そうじゃない
    猪名川が情報操作している
    可能性がある

    理事長は勘違いしているんだ



   ヴァイオラ
    勘違いでも何違いでも
    あなたたちを叩き潰しておけば
    問題の起きようもないでしょ



   倫花
    そ、そんなぁ
    小春ちゃん、ヴァイオラちゃんに
    何か言ってあげてよ



   小春
    ごめんなさい
    倫花さん

    万が一にでも
    この島がなくなるような事態は
    避けなくちゃならないの



   ヴァイオラ
    筆頭の座とか、誰が誰と組むかとか
    そんなことは心底どうだっていい

    ただ、今ビクニを壊されるは
    困るのよ、とても困るの

    VR-ウイルスを完全に制御できる
    ようになって、この島を出るまではね



   倫花
    ……え?
    ヴァイオラちゃん、今なんて――

     ※ 島を出ること自体は、ヴァイオラも反対してはいない



   ヴァイオラ
    小春、さっさとやって
    しまいましょう



   倫花
    小春ちゃん、説明してあげて!
    こんな戦いに意味なんてないって!



   小春
    私としては、パートナーの意志を尊重します

    それにこの頼みを聞けば
    理事長が直接会ってくれるそうですから



   倫花
    ど、どういうこと?



   小春
    倫花さんが危ない橋を渡る必要はないんです

    これは筆頭である私の仕事なんですから



   桃
    まずいな
    情報戦のイニシアチブを取られている

    このままでは理事長の
    思うままに操られるぞ



   倫花
    どうして……
    こうなっちゃうのかな



   小春
    戦うことこそがヴァルキリーの本質
    ためらう必要がありますか?



   ヴァイオラ
    さあ、行くわよ!



   乱花
    ちょっと、待ったーっ!!



   倫花
    わっ、ら、乱花ちゃん?



   ヴァイオラ
    な、なに?



   乱花
    やっぱり九頭竜に
    お姉ちゃんのことを
    任せっきりにできない!

    だからここは
    私が戦う!



   桃
    ……乱花
    どうしてここが分かった?



   乱花
    お姉ちゃんの匂いを辿ってきたんだ
    世界の果てまでだって追跡できるよ



   桃

    (独白開始)

    ……ちょっと気持ち悪いな

    (独白終了)



   倫花

    (独白開始)

    乱花ちゃん、それはどうなの……?

    (独白終了)



   乱花
    と、とにかく、私が
    お姉ちゃんと一緒に戦うの!

    ね?
    いいよね
    お姉ちゃん



   倫花
    乱花ちゃんがそうしたいなら



   乱花
    オッケー、決まり!

    さあ、どこからでも
    かかってきな!



   ヴァイオラ
    誰が相手でも関係ない
    行くわよ!




  16-B-後

   (苦戦した場合 ここから)

   乱花
    ぜえっ、ぜえっ
    お姉ちゃんをいじめるヤツは
    私が許さないんだ!

    (独白開始)

    こんな綱渡りみたいな戦いを
    続けてたら、いつか必ずお姉ちゃんに
    ケガをさせちゃう……

    もっと力が必要なんだ
    もっと……!!

    (独白終了)



   小春
    どうして邪魔をするんですか
    どうして……

   (苦戦した場合 ここまで)



   (余裕の場合 ここから)

   乱花
    この二人が相手にしては
    楽に戦えた気がするな

    もしかして私ってば
    強くなってる?



   倫花
    小春ちゃん、戦闘に集中して
    なかったでしょう?



   小春
    …………



   乱花
    あれっ
    そういうことだったのか
    あはは……

   (余裕の場合 ここまで)



   倫花
    ねえ、わかって
    私は島を壊そうなんて少しも思ってないよ



   ヴァイオラ
    ……本当に?



   倫花
    本当だよ

    ただ、ちょっと気になる話を
    聞いたから、理事長先生に直接
    確かめたいだけなの



   ヴァイオラ
    なら、最初からそう言えばよかったのに



   乱花
    ちゃんと言ったでしょ!
    話を聞かなかったのはヴァイオラじゃん!



   ヴァイオラ
    そうだったかしら



   小春
    何にしても負けたのは私たち
    後はどうぞ、ご自由に



   倫花
    あの、小春ちゃん



   小春
    何ですか?



   倫花
    小春ちゃんも
    一緒に理事長先生を探さない?

    理事長先生とお話する
    約束をしてるんでしょ?
    だったら……



   小春
    結構です

    真実とは自分で掴み取るもの
    誰かから与えられるものではありませんから

    私は私で行動させてもらいます



   倫花
    そっか……



   小春
    ただ、理事長を探しているのなら
    塔へ行ってみるといいでしょう

     ※ グンダリと既に戦った後



   倫花
    塔に?
    どうして?



   小春
    行けば、わかります

    それでは私たちはこれで失礼します



   ヴァイオラ
    …………



   乱花
    ふん、相変わらず
    お高く留まっちゃってさ



   倫花
    乱花ちゃん
    そんなこと言わないの



   乱花
    はーい



   桃
    それで、どうする?
    月影の言葉を信じるのか?



   倫花
    うん、他に手がかりもないし
    塔へ行ってみよう



   乱花
    ま、どこかの猪名川と違って
    月影はつまらない嘘はつきそうにないしね



   桃
    それは同感だな



   倫花
    もう、ふたりとも
    それじゃ、行こう



   乱花
    うん



   桃
    ああ




  16-C-前

   (塔にて)

   倫花
    おじゃましま~す
    理事長先生はいますかぁ~



   グンダリ
    とうとう、ここまで
    来てしまいましたか



   倫花
    グ、グンダリ先生!



   グンダリ
    あなたがここにいるということは
    マナさんも小春さんも倒してきた――
    ということですね



   倫花
    はい、そうです

    って、どうして
    先生がそのことを知ってるんですか?



   グンダリ
    …………



   倫花
    グンダリ先生?



   乱花
    あの、理事長先生いませんか?
    私たち、探してるんですけど



   グンダリ
    理事長はいません
    見ての通り



   乱花
    月影の情報もアテにならないね



   倫花
    うーん、そんなはず
    ないと思うんだけど……

    じゃあ、理事長先生がどこに
    いらっしゃるか、知りませんか?



   グンダリ
    …………

    ……倫花さん
    あなたは本当に、この島の秘密を
    知りたいのですか?



   倫花
    え? あ、はい
    そのために理事長先生を探しているんです



   グンダリ
    ……それがどれだけ
    残酷な真実だとしてもですか?



   倫花
    ひょっとして、グンダリ先生は
    知っているんですか?

    どうして、四神の中に
    卒業生が封じられているのかを!



   グンダリ
    当然です
    私自身も四神なのですから



   倫花
    じゃあ、先生の中にも
    卒業生がたくさん?



   グンダリ
    ええ



   倫花
    どうして?
    なんのためにそんなことを
    するんですか!?



   グンダリ
    それが知りたければ
    方法は一つ……

    この私に、一つでもいい
    傷をつけて御覧なさい

    そうすればあなたの知りたいことを
    教えてあげましょう



   倫花
    本当に、それだけでいいんですか?



   乱花
    傷一つでいいなんて
    私たちのこと舐めすぎじゃない?



   桃
    甘く見るなよ
    相手は四神のリーダーだぞ

    とてつもない力を秘めているはずだ



   倫花
    それでも戦わなくちゃ
    ここまで来て逃げるのは
    真実から目を逸らすことだもの



   乱花
    お姉ちゃんがやるって言うなら
    私だってやってやる

    お姉ちゃんは私が守るんだから!



   グンダリ
    さあ、見せて御覧なさい
    あなたたちの力を!




  16-C-後-O(オーダー)

   グンダリ
    ほう……
    偶然とは言え、この私に傷をつけるとは



   倫花
    はあっ、はあっ
    偶然でもなんでも傷をつけたのは
    事実です



   乱花

    (独白開始)

    なんだこれ、なんだこれ……!

    グンダリ先生は手加減してた
    まるで母親が赤ちゃんをあやすみたいに
    私たちをいなしてた

    でも、でも……
    一歩間違えたら私たち死んでた
    覚えてるだけで7回殺されてた

    (独白終了)



   倫花
    乱花ちゃん、大丈夫?
    私たち、勝ったんだよ?



   乱花
    う、うん
    平気だよ
    だいじょうぶ……



   倫花
    グンダリ先生
    や、約束、果たしてくれますよね?



   グンダリ
    いいでしょう
    約束です

    あなたの疑問に答える前に
    私たちヴァルキリーの歴史を
    おさらいしましょうか



   乱花
    あれっ
    何だか座学の授業みたいになっちゃったな



   グンダリ
    V-ウイルスという病原体と
    ドライヴという現象が発見されたのは
    つい数年前のことです

    個体差はあるものの
    好戦的な性格と、通常の人間を
    遥かに超える身体能力……

    研究者は、ウイルスの感染者に
    ヴァルキリーと名付けました

    世界政府は、そのヴァルキリーの
    能力に目をつけ、軍事利用することを
    思いついたのです



   倫花
    えっ……?



   乱花
    い、いきなり何言ってるの?
    そんなの授業で習わなかった



   桃
    …………



   グンダリ
    そう……V-ウイルスを
    治療するための島というのは
    表向きの顔に過ぎません

    世界政府――AAAの真の目的は
    V-ウイルス保持者を監視、選定し
    兵器として売ることなのです



   倫花
    う、うそ……
    そんなのうそだよ!!

    だってここは病気を治すための
    島なんでしょう!?



   グンダリ
    嘘ではありません
    紛れも無い事実です



   乱花
    ふざけるな!
    今までの授業も全部、私たちを
    兵器として育てるためだったの!?



   グンダリ
    いいえ、それは違います



   乱花
    どういうこと?
    いま、自分でそう言ったじゃない!



   グンダリ
    倫花さん
    今あなたの疑問に答えましょう

    私たち、四神の中には、一期生から
    四期生までの生徒――

    つまり、ビクニが創立されて以来
    この島へ来たすべての生徒が眠っています



   倫花
    え?
    今までの全ての生徒全員って……



   乱花
    それは越後屋から聞いたよ
    知りたいのは、何のために
    そんなことしてるのかってことです



   グンダリ
    すべてはV-ウイルスの保持者――
    ヴァルキリーの未来を守るため



   乱花
    未来を守るために封印?
    それって話が矛盾してない?



   倫花
    乱花ちゃん
    違う、違うよ
    そうじゃない……



   乱花
    な、なになに?
    説明してよ、お姉ちゃん



   倫花
    グンダリ先生は、ビクニが創立
    された時からのすべての生徒って
    言ったんだよ



   乱花
    ……?



   倫花
    V-ウイルスを治療できた
    生徒なんて一人もいないんだよ



   乱花
    あ……



   倫花
    V-ウイルスをコントロールする方法なんて
    この世に存在しないんだ……



   グンダリ
    倫花さんの言う通りです
    我々は必死にその方法を探しました
    いまだに探し続けています

    しかしその過程で、一つの発見がありました

    V-ウイルスの変種である
    VR-ウイルスです



   倫花
    私たちの体内にあるウイルス……?



   グンダリ
    詳細な説明は省きますが

    VR-ウイルス保持者が
    リブレイターとしてドライヴした場合――

    エクスター側の物質変換情報が
    強制的に書き換えられ固定されます

    簡単に言えば、ドライヴ中は
    エクスターの時間が凍結されるのです



   乱花
    エクスターの時間が止まる……
    じゃあ!



   グンダリ
    そう、結果的に、これがウイルスの
    進行を止める唯一の手段でした

    私たち四神はヴァルキリーを体内に
    封じ、彼女たちの時を止めて生命を
    守りながら待ち続けているのです

    いつか未来の果てに見つかるであろう
    V-ウイルスの治療法を



   倫花
    そう……だったんですか……



   グンダリ
    しかし、そのためには
    神は強くなくてはならない

    そして強い神を生み出すためには
    最強のヴァルキリーでなくてはならない

    だからこそ、あなたたち
    VR-ウイルス保持者には
    戦いを教えることが必要だったのです

    こんな言い方は酷ですが……

    V-ウイルスの治療法が確立しない限り
    あなたたちに帰る場所も行く場所も
    ありはしません

    それならば新たな五体目の神となり
    私たちと一緒に、この島と彼女たちの
    未来を守ってくれませんか?



   倫花
    私……私は……

    私は、ただ……病気を治して
    家に帰りたいだけなんです

    何か方法があるはずです!
    私はその方法を探します

     ※ 真実を知った直後に、大義へと至らず個人的な感情を優先したことが、
       ホームシックにかかってしまった様に見え、一部プレイヤーの不評を買った。
       動揺していたのだから、多少は目をつむるべきであると考える




   グンダリ
    どうしても、ですか?



   倫花
    どうしてもです!

    私はこの島を出ます
    そして、家に帰るんです



   グンダリ
    ……わかりました

    ならば、私たち四神を
    倒して行くが良いでしょう



   倫花
    どうして、先生たちを?



   グンダリ
    この島を出るために
    必要なことだからです

    私たちは、この島を守るため
    何人たりとも外に出ることを許しません

    それが嫌だというのなら
    私たちを倒していきなさい

     ※ 結界を解くのが問題なのか、内部情報を知られるのが問題なのか。
       あるいはウイルスの感染経路か。またはそれら全てか、他の理由からか。
       いずれにせよ、話してくれない限りは判らない。
       アニメにおけるマーメイドの描写から察するに、
       敵艦が周囲に存在し、上陸を警戒している可能性はある




   倫花
    そんな……!



   グンダリ
    ただし、これだけは
    覚えておいてください

    もし私たちを
    倒すことができたとしても……

    その先にあるのは
    更なる地獄だということを




  16-C-後-C(カオス)

   グンダリ
    見事です



   倫花
    やった!
    傷一つ、つけました!

    これで、四神の中に
    卒業生が封じられている理由を
    教えてくれるんですよね?


   (以下、16-C-後-Oに同じ)





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